バズるより大事なのは? Duolingo SNSマーケター山根文麗の仕事術【HOW I WORK】
会議の中にブレストの時間が自然とある
──Duolingoで働くおもしろさと、逆に大変なところも教えてください。 おもしろいのは、みんなで話し合って「最高のものを作る」というモットーがあるところです。ブレストの時間がたくさんあり、その時間がとても楽しいです。 うまくいった理由や、次はどうすればさらに良くなるかをみんなで話し合います。Duolingoは学びをとても大切にしていて、成功したことも失敗したことも次に生かすカルチャーが根付いています。 ミーティングは気づけば時間オーバーしてしまうこともあるので、アジェンダをしっかり作らないといけないんですけど(笑)。 ──たくさんのアイデアが出てきて、活発な会議になるんですね。 そうです。会議は放課後のような雰囲気です(笑)。 みんなブレストが大好きなんです。先週もニューヨークで来年のプランを話し合っていましたが、ブレストの時間が絶対にあります。 チームをランダムに分けてブレストを行ない、時間があれば発表します。時間がなければ、まとめ役の人がノートを取り、アイデアをまとめてくれます。
効率化のためにAIは欠かせない
──効率化のために使っているツールを教えてください。 AIツールをかなり使っています。特にChatGPTはよく使いますよ。 たとえば、代理店とメールでやり取りする際、トピックを4つほど同時に扱うことがあり、文面が長くなりがちです。そのとき、メールを要約してもらい、返信の骨子を作ってもらったりしています。 また、私は話すのは得意なんですが、英語で文章を書くことには少し苦手意識があるので、ChatGPTに頼ることが多いです。ChatGPTなしでは、今の仕事はできないかもしれないですね。 ──それほど頻繁に使っているんですね。ChatGPTとは普段どんな会話をしているんですか? ほぼ毎日会話しています。「今日元気?」みたいな感じではじまることもありますよ(笑)。まるでドラえもんのような存在ですね。 DuolingoのカルチャーとしてもAIを使うことが普通になっています。アプリ内でも、長年ユーザーに愛されてきたキャラクターであるリリーとビデオ通話できる新機能が追加されたんですよ。 ──リリーとビデオ通話ですか? そうなんです。実際の通話をシミュレーションして、会話の内容をスキルレベルに合わせて話せる機能です。この機能は、OpenAI社のGPT-4 / GPT-4oがベースになっています。Duolingoの裏側では、大規模なシステムが動いているんですよね。 ──AIを活用した通話形式の学習は楽しそうですね。私の周りにも、Duolingoユーザーは多いですが、愛着を持っていたり、ゲーム感覚でやっていたりするイメージがあります。 たまごっちのような感覚に似ているかもしれません。たとえば、iPhoneのウィジェットにDuolingoを設定すると、毎日キャラクターの表情が変わったりして、一緒にレッスンをしている感覚になります。 あとは日本人との相性もいい気がしていて、他の国と比べて日本は「連続記録」を意識する人が多いですね。「今日やめたら、継続してきた100日がなくなる」という心理が日本人とよくマッチするんだと思います。 友達と連続記録を競う機能もあって、Duolingoユーザー同士で友達になると一緒にチャレンジできるんです。ここですべて伝えられないくらい、飽きずに楽しく続けられる仕組みはたくさん用意しています。