サムスン・現代自・LGのオーナーが直接指揮…新年「ロボット大戦」を予告
サムスン電子、現代(ヒョンデ)自動車、LGエレクトロニクスなど韓国財界オーナーが新年の「ロボット大戦」を予告した。ロボット産業を将来の収益源として目を付け関連産業に相次いで投資するなどの動きが早まっている。 韓国財界によると、サムスン電子は今年ロボット事業にスピードを出すため代表理事直属の「未来ロボット推進団」を新設した。ヒューマノイド(人間型ロボット)を含んだ未来ロボット技術開発に集中する組織だ。サムスンが公開したAIペットロボット「ボーリー」、歩行補助ロボット「ボットフィット」などの開発にも速度が出る見通しだ。 サムスン電子は昨年末ロボット開発会社レインボーロボティクスの株式35%を確保して筆頭株主になったと公示した。レインボーロボティクスは韓国初の二足歩行ロボット「ヒューボ」を作ったKAISTの研究陣が2011年に設立した会社だ。サムスンは2年間に3545億ウォンをレインボーロボティクスに投資した。李在鎔(イ・ジェヨン)会長が2021年に「ロボットと人工知能(AI)など新産業に3年間で240兆ウォンを投資する」と発表してからの歩みだ。 現代自動車は鄭義宣(チョン・ウィソン)会長が2021年に私財2400億ウォンを出資して買収したボストン・ダイナミクスを中心にロボット開発に集中してきた。買収当時、鄭会長は「次世代に向けた未来収益源確保に向けロボット市場を必ずつかまなくてはならない」と強調した。その後現代自動車は二足・四足歩行ロボットを高度化する一方、工場で使える産業用ロボット開発に力を入れた。昨年11月には徹底的に実用性に集中した産業用ウェアラブル(着用型)ロボット「X-bleショルダー」を成果として公開した。 LGの具光謨(ク・グァンモ)会長は今年の新年辞でLGの未来の収益源としてロボットとAI、ヘルスケア(健康管理)を挙げた。LGエレクトロニクスは2017年にロボット企業のロボティズやエンジェルロボティクスなどに株式を投資した。昨年にはAI基盤自動運転サービスロボットスタートアップのベアロボティクスに6000万ドルを投資した。最近では独自開発したロボットブランド「LGクロイ」で商業用ロボット市場に進出した。 このほかハンファの金升淵(キム・スンヨン)会長の三男であるキム・ドンソン副社長はグループのロボット系列会社であるハンファロボティクスの戦略企画総括を務めている。ハンファロボティクスは外食関連ロボット開発に集中している。斗山(トゥサン)は4世経営者である朴仁原(パク・インウォン)社長がグループのロボット系列会社である斗山ロボティクスを陣頭指揮する。食品産業に最適化した「Eシリーズ」、精密な作業を補完する立体ロボット「Mシリーズ」など協働ロボットを生産・販売している。 ロボット事業はすぐには成果を出しにくい。宇宙産業のように着実に投資しなければならない。ロボット市場のインフラが整っていない状況で政府支援が必要な理由だ。産業通商資源部は昨年12月にヒューマノイドロボットを国家先端戦略技術に新規指定し、規制改善や研究開発などを支援することにした。 国際ロボット協会(IFR)によると、世界のロボット市場規模は2021年の332億ドルから2030年には1600億ドル規模に成長する見通しだ。テスラやエヌビディアのようなビッグテックもロボット投資に拍車をかけている。韓国は製造業基盤の大企業中心の産業構造であるだけに、ロボット技術が既存事業とシナジーを出す可能性が大きい。瑞靖(ソジョン)大学のパク・チョルワン教授(韓国ロボット産業協会副会長)は「オーナーが直接ロボットを取りまとめるというが依然として果敢な水準の投資とは見がたい。過去にもロボットを未来の収益源として推しながらあいまいになった前例が多いだけに粘り強い投資につながらなければならない」と強調した。