選手として指導者として刺激的な3×3(EPIC.EXE 一色篤 / 3x3.EXE PREMIER 2024)
父の大きな背中を追いかけて
『愛媛・バスケファミリー・一色』と脳内検索エンジンでたどれば、1人の名将が導き出される。不躾ながら、「父=建志?」と答え合わせから取材がはじまった。 「知っている人は知っていると思いますが、一色建志です。元聖カタリナの ──」 愛媛県の聖カタリナ学園高校を全国区へ導き、女子U18日本代表ヘッドコーチとして世界と戦った後、アイシンAW(現アイシン)ウィングスのヘッドコーチとしてWリーグでも4シーズン指揮を執った。現在は聖カタリナ大学の監督となり、就任まもなくインカレ出場を果たした名将。そのご子息である篤も昨年から脱サラし、教員となって父の背中を追いかける。 「コーチとしての姿しか僕は見たことがありませんが、夢中になってバスケを勉強している姿や悩んでいるところも家の中で見てきました。父は越えたい壁であり、尊敬しています」 教員となった今、バスケ部の顧問も受け持っている。3×3が5人制バスケの上達に有意義であることは、東京オリンピック日本代表のその後の活躍を見ても立証されている。「一度スピーカーで音楽をかけながら3対3の練習をしたら、生徒たちは楽しみながらバスケをしていました。3×3はより切り替えを意識しなければならないですし、それが自然とできるようになっていたので今後も練習に取り入れていきたいですね」と述べ、プレーヤーとしての実体験が指導にも刺激を与える。 「僕の中では5人制よりもより細かいプレーが求められ、1つのズレが大きく影響するのが3×3だと思っています。指導するときにも、より一層細かく詰めていくようになりました」 一色篤を知るべくプロフィールを見ていたら、「ラーメン屋巡りを趣味にしたい」という一文に目が止まる。趣味を紹介する項目にもかかわらず、願望が書かれていたのが珍しい。全国を転戦する3×3.EXE PREMIERだが、「結局大阪に帰ってからいつものラーメン屋に行ってしまっています。せっかくなので、これからいろんな地域に行ったらラーメン屋巡りもがんばっていきたいです」とまだまだ願望のままだった。 EPIC.EXEの最終戦は石川県金沢駅西イベント広場。美味しいラーメン屋もいろいろ出てくるが、やっぱり海の幸を楽しみたい。元日に大きな地震に襲われた石川県をバスケで元気にしつつ、美味しいものをいっぱい食べて地域貢献することもプレミアな存在の役割である。
泉誠一
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