【プロ野球100人分の1位】直球No.1は読売ジャイアンツの守護神・大勢投手「他の投手と違う動きをする」ストレート 現役選手100人に独自調査2024
第1位:19票/大勢(巨人)
今回からスピードだけではなく、キレやノビなど、多角的な能力が評価の対象となり、生まれ変わった「直球部門」。 その栄えある第1位に輝いたのは巨人の大勢(25)だ。 「ミサイルみたいな球、すごいなと思いながらいつも見ています」巨人・吉川尚輝投手(29) 「『ウリャー』って言って投げてくる。嫌ですよね、本当に」DeNA・牧秀悟内野手(26) 「速いピッチャーたくさんいるんですけど、ちょっと違ったタイプ」巨人・菅野智之投手(35) 2024年シーズン、大勢は球団史上最速の160km/hをマークし、防御率0点台(0.88)の守護神としてリーグ優勝に貢献。 「すぽると!」が表彰に訪れると、大勢は大喜び。 大勢: 「ありがとうございます。 やった! よし、これが一番嬉しい。今年一嬉しい。いや、(リーグ優勝に次いで)今年2位ですね」 大勢は自らのストレートについて「自分にとっては大切なボールで、一番こだわりというか自信のあるボール」と語る。 そんなストレートへのこだわりを見せたのが、ケガのため2カ月ぶりの復帰登板となった6月30日の広島戦だ。巨人が1点リードで迎えた9回にマウンドに上がると、なんと19球全球ストレート勝負で8セーブ目をあげ、ケガからの完全復活を印象づけた。 大勢: 「2カ月離脱してたので、支えてくださってたトレーナーさん、応援してくださったファンの方々に恩返しではないですけど、そういう姿を見せたいなと思って、全球ストレート」 実は、これまでの「スピードボール部門」で、一度もトップ5入りしていなかった大勢。ルーキーイヤーの2022年は3票で6位タイ、2023年は1票も集められなかった。 それが、2024年の「直球部門」でいきなり1位に。その秘密はボールの握り方にあったという。 大勢: 「今年から逆に変えました」 2023年までは、ボールの縫い目の丸くなっている部分を中指側に持つ一般的な握り方だったが、2024年からは人さし指側に持つ握り方にしたという。 その裏にはあるレジェンドの存在があった。 大勢: 「江川さんのストレートの握りがこうだったので」 代名詞の「浮き上がるストレート」で、史上6人目となる投手5冠を達成した“昭和の怪物”江川卓さん。巨人のレジェンドのボールの握りを参考にしていたのだ。 大勢: 「理想の真っすぐが江川さん。力感なく速いのに伸びる。ああいうフォームで、ああいう強いストレート、キレのあるストレートを投げるっていうのが僕の目標」 握りを変えた 2024年、球速に変化があった。1年前に比べ平均球速が約2km/hもアップしているのだ。 大勢のストレート平均球速 2022年 153.1km/h 2023年 153.5km/h 2024年 155.4km/h (提供:データスタジアム) 大勢の直球の威力はスピードだけではない。対戦した選手たちはその動きにも戸惑ったようだ。 「他の選手と(ボールの)変化量が違うんですよ、ボールが違う動きをするので、その動きをイメージしてたらもう終わってる。やばいやん、どうやったら当たるんやろうっていう」阪神・近本光司外野手(30) 「速さもあるし、あのスピードで(球が)動いているのは日本人ではなかなか見ない。あの投げ方と球速、それが変化してくるので捕まえづらい」広島・秋山翔吾外野手(36) 「ジャイロ回転のときもあれば、シュート成分が強くて右バッターに食い込んでくるっていう球もある。それに加えて球が強いですし、ストレートを打ちにいってもなかなか打ち返せない」DeNA・桑原将志外野手(31) 大勢: 「シュート成分もありますし、伸びたり垂れたりもするんで、直球部門で1位になって良いストレートなのかな…ていうのはありますけど、僕の中ではストレート」 同じストレートでも、右バッターの内側に食い込んでくるストレートと真っすぐ伸びてくるストレートを使い分けている大勢。どんな場面で使い分けているのか聞いてみたところ…。 大勢: 「それは戦略なんで言えないです。企業秘密でお願いします(笑)」 大勢が「企業秘密」と語るストレートの投げ分けについて五十嵐亮太さんは…。 五十嵐亮太さん: 「アメリカだったらフォーシーム(直球)でもシュート回転の成分が強いボールをシンカーと言うんですけど、そういうピッチャーはそれがメインになる。 大勢投手の場合はシンカー成分の強い真っすぐと逆の真っすぐをしっかり投げ分けることができている。 スピードの差がないのが良いんでしょう。それがバッターからしたら嫌なんでしょうね」 2025年も、スピードの速さに加え多彩に変化する大勢のストレートに注目だ。 (「すぽると!」1月5日放送より)
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