オーストリアのAssetera、エヌビディア株、コインベース株、S&P500などに連動するトークン化資産を上場
ヨーロッパにおけるブロックチェーンベースの証券を扱うポリゴン(Polygon)ベースのMiFID(金融商品市場指令)認可取引所であるAsseteraは、Backed Financeのトークン化資産を上場し、アメリカ以外の投資家が、最も注目されているアメリカ企業数社とリンクしたトラッカーへのエクスポージャーを得られるようにした。 最初のローンチには、ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所の一つであるコインベース(Coinbase)株、人工知能(AI)とリスク資産のすべてを先導するチップメーカーのエヌビディア(Nvidia)株、そして優良株のインデックスであるS&P 500に連動するトラッカーが含まれていると同社は12月12日にCoinDeskに共有したプレスリリースで述べている。 このプラットフォームは、流動性を重視する投資家向けに設計された、トークン化されたアメリカ財務省短期証券(満期1年以内のアメリカ政府短期証券)を上場する予定だ。将来的には、マネーマーケットファンド、債券、ステーブルコイン、プライベートクレジットトークンの上場も計画されている。 これらのトークン化されたトラッカーを取引する際、Asseteraのユーザーは、原資産の株式を表すBacked のbトークンを受け取る。これらのbトークンは、欧州連合(EU)の承認済み目論見書に基づき、完全に担保されて発行されており、透明性が高く安全な24時間365日の取引が保証されている。 これらのトークンはChainlinkのCCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)を利用することで、あらゆるウォレットに保管でき、従来の市場取引時間外やチェーン間でも移動できるため、非常に柔軟性が高い。 「この提携は、金融市場におけるイノベーションと世界中の投資家のエンパワーメントに対する当社の取り組みを反映したものだ」と、AsseteraのCEOであるトーマス・ラベンバッハー(Thomas Labenbacher)氏は述べた。また、Backed Financeの共同創設者であるアダム・レヴィ(Adam Levi)氏は、この提携により、投資家はオンチェーンかつ規制された環境を通じて伝統的な金融資産へのエクスポージャーを得ることができると述べた。 RWAトークン化とは、ブロックチェーン技術を利用して伝統的資産の価値をデジタルトークンに変換するプロセスであり、24時間365日の利用可能性、すべての人々へのアクセス、構成可能性、即時のグローバルな担保流動性を促進する。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)による2022年の予測では、トークン化された資産市場の価値は、現在の1000億ドル(約15兆円、1ドル=150円換算)未満から、2030年には16兆ドル(約2400兆円)に達するとされている。 規制の不透明性とセキュリティ上の懸念が暗号資産の普及を長らく妨げてきたが、Asseteraは脆弱性を軽減するために厳格な運用をすることで、これらの課題に取り組んでいる。 同社はCoinDeskに対し、AI(人工知能)を搭載したリアルタイム監視システムを使用して疑わしい活動を検知し、対処していると述べた。さらに、バックエンドの堅牢で拡張可能なインフラと、トークン化による金融の民主化に関する専門知識が、今回の提携を確固たるものにしたと付け加えた。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Assetera|原文:Assetera Enables Non-U.S. Investors to Trade Tokenized Nvidia, Coinbase, and S&P 500
CoinDesk Japan 編集部