乗っていたらいつしか逆向きに? 特急列車などの「座席反転率」一挙公開
向きが気になる方は注意したい・・・遠軽駅、飯能駅、姫路駅
座席の反転率が高い列車についても見てみましょう。最も高かったのは旭川~網走間を走る特急「大雪」の47.6%で、遠軽駅をはさんで順方向も逆方向もほぼ同じ。毎日運転する定期列車でこれに次ぐのは西武鉄道の特急「ちちぶ」(43.1%)でした。飯能駅を過ぎてからも一定の距離を走るので、向きが気になる方は周囲に配慮しつつ転換するといいと思います。「ちちぶ」に次ぐ定期特急では、鳥取~姫路~大阪間の「はまかぜ」が41.7%となっています。 JR東日本の「のってたのしい列車」でラインナップされている中から挙げると、南小谷~松本~長野間の「リゾートビューふるさと」が47.2%、「ひなび(陽旅)」編成による大湊~野辺地~八戸間の「ひなび下北」が46.8%、「越乃Shu*Kura」編成では、上越妙高~長岡~越後湯沢間の「ゆざわShu*Kura」が46.1%など。一部の木曜を除いて運転される近畿日本鉄道の観光特急「あをによし」(京都~近鉄奈良~大阪難波間)は、45.7%でした。なお、「リゾートビューふるさと」では、姨捨駅などでスイッチバックもあるため、向きが変わる回数は多め。スイッチバックにより方向が複数回変わる特急列車としては、豊肥本線を走る「九州横断特急」「あそ」なども挙げられます。
特急列車、観光列車などの座席反転率一覧
運転本数・頻度が多い列車ほど、どこまでが順方向でどこからが逆方向か、その割合がどの程度かについては、知っておくと便利でしょう。JRの特急では、米原駅で向きが変わる「しらさぎ」(名古屋~敦賀間、反転率36.5%)、小倉駅で逆方向になる「ソニック」(大分~博多間、同33.6%)がその一例。主に高松~徳島間で走る「うずしお」も本数多めの特急列車ですが、上下各2本と少数ながら岡山駅発着の設定があります。それらは途中、宇多津駅、高松駅で向きを変えます。定期特急列車で進行方向が2回変わるのは、岡山~徳島間の「うずしお」のみ。全区間乗った場合、反転率は17.7%です。 有料特急や観光列車のほかにも、ライナー列車などで向きが変わるものはあります。クロスシート車、セミクロスシート車が使われている区間では、普通列車で該当する例もあります。外出先、旅先で偶然にそうした列車に乗り合わせたら、それも一興だと思います。
冨田行一