報ステCM取り下げ 女性蔑視では?物議醸す
制作側擁護の声も 今後、教訓として活かせるか
「制作側としては女性蔑視や差別の意図はなく、むしろ女性に寄り添うようなつもりで今はジェンダー平等が当たり前な時代であるということを出発点に制作したのかもしれませんが、その出発点が誤っていたのではないでしょうか。ジェンダー平等が果たして達成されているといえるのか。現在もなおジェンダー平等に取り組む人たちを揶揄しているように受け取られても仕方がない面があります。番組側の釈明通り、意図を十分に伝えることができなかったのだと思います。結果的にはジェンダー問題に対する認識不足と若い女性を上から目線で俯瞰している印象を与え、化粧水にしても女性は外見に気を遣うのが当たり前であるかのような印象を与えてしまった。その結果、『女性をばかにしている』など不快感を抱く声が想像以上に多く、これは取り下げざるを得ないという判断になったのでは。CMの構成や演出力不足、そして配信されるまでのチェック機能不足が招いた結果といえるでしょう」(CM情報メディア・40代女性編集者) ただその一方でネット上には「どこがまずいのかまったくわからなかった」「この動画が速攻で謝罪に追い込まれる世の中の雰囲気のほうが居心地が悪い感じがする」「受け取り手も少しは意図を汲んでやれよと思った」といった意見も見られる。 いずれにしても不特定多数に向けたCMである限り意図が正しく伝わらなかった時点で成功とはいえないし、受け手側との間に大きなズレが生じてしまったのは事実。この教訓を今後活かせるか。 (文:志和浩司)