キャニオン・新型エアロードデビュー 地味だが重要な変化|CANYON
生まれ変わった独自ハンドル
フレームの変化はやや控えめな新型エアロードだが、最大のトピックはハンドルである。 エアロードは、前作から「CP0018 エアロコクピット」というキャニオン独自のステム一体型ハンドルを採用している。ハンドルがトップ部分で分割でき3段階で幅の調整が可能なうえ、ハンドルのトップ&ステム&コラム上部が一体となっており、ヘッドチューブ内部でフォークと接続する。ステムとハンドルだけでなく、フォークまで完全専用となった超個性的なハンドルである。 利点は、ハンドルを交換せずとも幅の調整ができること、コンパクトに梱包でき配送しやすいこと。欠点は互換性が皆無なこと、ポジションに制限があることなどだ。 新型エアロードに採用される新設計のハンドルセット「PACE(ペース)バー」は、基本的な構造は「CP0018」と同じだが、ドロップ部のみブレーキホースが外装となり、ドロップ部の交換が可能になった。これに伴い、従来のクラシックドロップに加え、エアロドロップというフレア状のドロップを新たに発売。目的や好みによって使い分けることが可能となった。 クラシックは370-395-420mmの3段階で幅を調整可能。ドロップは大きく、スプリントのような瞬間的に大パワーを出す状況に適する。エアロドロップは350-375-400mmと狭く、ドロップも浅い。フレアは18度で、一人逃げなどのようなシーンを想定したものだという。 このエアロドロップを使うと、幅が狭くなり、リーチも1cm長くなってハンドルが遠くなる。よってライダーを含めた前面投影面積が減少するため、クラシックドロップに比べて空気抵抗が14W(45km/h時)も削減される。 なお、完成車に付属するのはクラシックドロップで、エアロドロップはオプションとなる。旧型ハンドルとの互換性はない。ハンドルのサイズは完成車購入時には選べないが、ステム部分単体も別売されるので(70-140mm)、体にフィットさせやすくなった。 「ハンドルのサイズが選べず、後から別サイズの購入もできない」というのはエアロード最大の欠点だったが、新型ではそこが改善されたのだ。ポジション自由度は、スポーツバイクにとって非常に重要な要素。ポジションにシビアになりやすい日本人ライダーにとってなによりの朗報である。 ハンドル高の調整は専用スペーサーで行う。調整幅は前作が15mmだったところ、5mm増えて20mmとなった。ヘッドの調整も専用工具ではなくT25のボルトに変更され、整備性が向上。 ドロップ部分はハンドルトップ部分に挿入してボルトで固定。他に類を見ない構造である。 トップ部分がより扁平になり、空力性能の向上が図られる。 メーターマウントはグラベルロードのグレイルで採用されたものと同じタイプになり、拡張性が向上。メーターやライトはもちろん、DHバーなども装着可能。