頼む、金を貸してくれないか…「年金月24万円」見栄っ張りな元校長の84歳父が懇願。しぶしぶ応じる55歳長男も驚く「老人ホーム請求額」
高齢者の住まいとして有力な選択肢である「老人ホーム」。ネックになるのは、その費用です。家賃の前払いとなる入居一時金に、毎月かかる月額費用。その費用はピンキリ。しっかりとしたシミュレーションのもと、身の丈に合ったホームへの入居がセオリーですが……。 ▼【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
老人ホーム費用…6割が自己負担
終末期を考えたとき、できるだけ自宅で……と考える人は多いもの。しかし、実際に自宅に住み続けるというのは難しいものです。 家の至る所にあるちょっとした段差、2階への階段。さらに昔は家族4人で暮らしていましたという自宅に、高齢者ひとりで住んでいるといったケースでは、ひとりで住むには広すぎで、その管理も大変。都心にありがちな猫の額ほどの庭でも、高齢者にとってはキレイに維持するだけでひと苦労です。 このような場合、住み替えも視野に入りますが、その際の選択肢として有力な候補となるのが老人ホームです。ここで問題なのが、その費用。負担できるものなのか、気になるところです。 株式会社Speee/ケアスル 介護が行った『介護施設の費用や財産管理に関するアンケート調査』によると、老人ホーム費用を「入居者自身が負担」しているケースが64%。「入居者の子ども」が24.8%、「入居者の配偶者」が6.4%、「入居者の孫」が1.6%、「入居者の兄弟姉妹」が1.2%でした。 また老人ホームに入居する際に、自宅はどうするのか、その売却費用で老人ホームに入居しているのか、というところも気になります。アンケート調査では「老人ホームへの入居にあたり、自宅を売却した」は9.5%と10人に1人の水準。そもそもほかに家族が住んでいたり、相続を考えていたりなど、事情はさまざまですが、売却資金で老人ホームに入居するというケースは、ごく少数であることがわかります。 斉藤隆さん(仮名・84歳)は、そのごく少数のほうに入る人たち。終活も兼ねて自宅を売却し、終の棲家として老人ホームへの入居を決めました。入居一時金は5,000万円、月額費用は28万円。一時金は自宅の売却費用と預貯金、月額費用は月24万円の年金と貯金の取り崩しから捻出しています。