20億円赤字のサガン鳥栖は存続可能なのか?
話し合いを重ねたなかで実際に一時解除には至っていない状況も、竹原社長は感謝の思いとともに明かした。すでに大分トリニータなどが市中銀行からの融資を検討しているなかで、資金がショートする時期を「他のJ1クラブよりも早いと思っていただければ」と先を見すえたうえで、竹原社長は3期連続の赤字と今年度の債務超過を回避する策についてこう言及している。 「いかなる手段を取ってでも、存続へ向けて全力で努力をする。それが市中銀行からの融資なのか、さまざまな寄付なのか、クラウドファンディングなのか、あるいは新しい試みなのか。このクラブがもつ存在意義にかけて、すべての方々へ最善を尽くして生き残っていく、という言い方でいいでしょうか」 中断期間に入ってから、年俸1億5000万円の元日本代表FW金崎夢生が名古屋グランパスへ期限付き移籍した。今後も高額な年俸選手の移籍があるかもしれない。Jリーグ側が新型コロナウイルス禍で赤字などに陥った場合、クラブライセンス制度の適用外とする特例も決めているなかで、泣いて馬謖(ばしょく)を斬るような決断を含めて、存続危機を脱するための努力をぎりぎりまで積み重ねていく。(年俸は推定) (文責・藤江直人/スポーツライター)