マラケシュ「ラ・マムーニア」は、大人のアラビアンナイトを叶える“おとぎホテル”でした
時には冒険気分で「これぞ旅!」といった異世界に迷い込みたいもの。その意味で、マラケシュは十二分に刺激的です。拠点のイチ推しは、100年以上の歴史を誇る「ラ・マムーニア」。ただ身を置くことで特別な感情を与えてくれるホテルは、冬の逃避行にもピッタリでしょう。 モテる宿にはワケがある
街と一体となるホテルこそエキゾチック
モロッコ第4の都市であるマラケシュ。11世紀~12世紀に王朝の首都として栄えた都は、いまはモロッコ第一の観光都市に。欧州を中心にマラケシュ・メナラ空港へは80以上の国際線が飛び、例えばマドリードからは約2時間、パリからは約3時間半のフライトで到着します。
東京から西に約1万1800km。遠いだけあって、そこは異世界、混沌、ラビリンス。クルマを40分も走らせれば砂漠に着き、世界最大規模のスークはモロッコの生活の縮図で、夜にはジャマ・エル・フナ広場がカオスに輝きます。そんな非日常を絵に描いたマラケシュの中心部に佇むホテルが、「ラ・マムーニア」です。
近年、マラケシュには錚々たるラグジュアリーホテルが開業していますが、大半は街の外れ。それらも素敵ですが、一度は「ラ・マムーニア」に滞在していただきたい。なぜなら、100年以上この街に溶け込み、“マラケシュの貴婦人”と愛され続けるアイコンだから。 エキゾチックなマラケシュは、彷徨うように過ごしたい街。中心に位置し、街のリアルな息吹を感じられ、なおかつホテル自体も見応えがあれば言うことありません。「ラ・マムーニア」は、それらすべてを叶えるのです。では、ホテルをご案内していきます。
第一印象が夢物語
クルマが絶えず行き交う通り沿いに、「ラ・マムーニア」のゲートが現れます。セキュリティが宿泊者と確認すると、そこから先を導くのは白マントのドアマン。軽々とスーツケースを持ち、マントをひらりとなびかせながら先導する様子は、ホテルの第一印象の最高値でした。喧騒から一転、優雅さに吸い込まれるようにモロッカンタイルに囲まれた扉に近づきます。