西日本新聞の押し紙認めず 長崎の元販売店主が敗訴
長崎県の元新聞販売店主が、必要以上の仕入れを強制される「押し紙」被害にあったとして、西日本新聞に約3500万円を求めていた訴訟で、福岡地裁(加藤聡裁判長)は12月24日、請求を棄却する判決を言い渡した。 元販売店主は、(1)仕入れのうち平均15%ほどは不要な新聞、(2)特に新聞広告や折り込み広告料金の基礎となる日本ABC協会の調査がある4月と10月に仕入れを増やされた――などと主張していた。 判決は、かつて余剰の仕入れは購読者数の2%までというルールがあったものの、1998年ごろ廃止になったとして、販売店の仕入れに制限はないと指摘。その上で、新聞社から販売店が注文した通りの部数が届けられており、また販売店からの仕入れ減の申し出や新聞社による拒絶があった事実を認めるに足る証拠もないと判断した。 日本ABC協会の調査月についても、2014年4月~2020年11月のうち、毎年4月と10月の仕入れが前月より200部多いと認定したものの(契約解除直前の2020年10月を除く)、新聞販売店の経営上、折り込み広告料の占めるウエイトが大きく、「むしろ販売店側に利益があると考えられる」として、このことをもって注文部数の指示があったとは認められないとした。
弁護士ドットコムニュース編集部