なでしこジャパン 韓国女子代表戦メンバー発表 佐々木則夫監督代行会見要旨
日本サッカー協会(JFA)は18日、26日の韓国女子代表戦に臨む日本女子代表(なでしこジャパン)メンバーを発表した。監督代行を務める佐々木則夫女子委員長は同試合に向けて23人を選出。記者会見に出席し、質疑に答えた。 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 ●佐々木則夫女子委員長 「今回の試合は単純な親善試合ではなく、2027年のブラジルワールドカッップ、そして2028年のロサンゼルスオリンピックに向けての準備として、しっかりと意義のある試合にしていきたいと思っている。監督代行だが、いま述べた目的を各選手、スタッフに伝え、進行していきたい」 ─パリ五輪のメンバーが中心だが、U-20女子W杯のメンバーからも選出されている。改めて、メンバー選考の基準と狙いは。 「U-20女子W杯でしっかりと頭角を現した選手たちは、今後のなでしこジャパンにとって重要な選手たちに成長してほしいというような願いがある。ベテランと中堅、若手をミックスして編成した。次のサイクルに繋がる意義のある戦いをしてほしい。(また、ベテラン、中堅の選手たちには)なでしこジャパンのイズムを若手にも注入してほしいという狙いがあっての、こういったメンバー編成となった」 ─今の韓国女子代表の特徴をどう捉えているか。 「韓国の状況については、数か月前のアメリカとの試合の映像が2試合あるので、最新の試合映像を見させてもらい、今回メンバーを見たところ、意外にベテランもかなり残っているので、そういった意味でも、選手の把握はある程度している。実はアジアのチームと戦った中で、一番勝率が悪いのが韓国。3勝3敗2分くらいで、(勝率が)5割。私にとって非常に緊張する試合になるんじゃないかと思っているし、『これは負け越して人生終えれねえな』というところもある」 ─招集メンバー23人中16人が海外クラブの選手だが、選考にあたって海外の試合は見たか。 「メンバー選考にあたっては、直に会場へ行くことは叶わなかったが、今は映像でしっかりと確認ができる。そして、LINE等で選手と会話しながら、コンディション状況などを聞くなどして確認した」 ─キャプテンマークはDF熊谷紗希に託すか。 「キャプテンについては、選手が集まってから決めたい」 ─韓国と2試合戦うが、選手起用はどう考えているか。 「海外からの移動がある関係で集合自体が22日、23日とずれる状況にある。コンディション、トレーニング状況を見た中で、メンバー構成は考えたい。そのベストの中で26日を戦う。そして、出場時間が少ない選手や交代選手は29日に使う」 ─今回は監督代行だが、これからも女子委員長として関わっていくと思う。今後なでしこジャパンを強化していくうえで佐々木氏が考える基準とは。 「今回は年齢層は若手、中堅という形の中でも揃えつつ、やはりW杯、五輪など前回やっていたところの中での反省点、改善点、そして良いところは良いなりに繋げてチームにアプローチし、韓国戦を戦いたい。できたらその試合で次のステップへの指標になるような形勢を整えたゲーム、トレーニング、そして次の監督にバトンを渡したいと思っている」 ─先ほど述べていた「なでしこイズム」とは。 「なでしこジャパンの良さは、(日本人女性は)世界から見たら小柄でパワーはないが、その中でも良さというのは、攻撃、守備に渡って非常に連携、連動できるというところ、積極的に前から3ラインをコンパクトにして攻撃的な守備ができるところ、そして、しっかりとボールを保持しながら相手を揺さぶって仕留めるところ、それもなるべくゴールに近いところまで運びながら射止めるというようなところの要素」 ─WEリーグで好調を維持していたDF遠藤優が初選出となったが、招集した理由、期待するところは。 「WEリーグ、アジアの大会の映像を見たが、攻守に渡って質の高さを表現していた。清水(梨紗)が負傷して今は治療中、リハビリ中で、今後彼女はコンディションを上げてきてくれると思うが、そうした中で、遠藤は非常に清水に重なるところがあった。(サイドでの)アップダウンや運動量、動くタイミングが非常に素晴らしい。浦和でもゴールに絡むプレーをしている。守備のところのバランスを含め、かなり評価している」 ─DF熊谷紗希に期待することは。 「五輪でもフル出場しながら、本当に年齢を感じさせないような表現をしてくれた。なでしこジャパンのプレイヤーとしても、年齢は高い方になるが、しっかりとレギュラーを張れるようなレベルでまだまだあるというところはあるし、いろいろな大会を通じて多くの経験をしているので、ぜひ若手にイズムを伝えてもらいたい。言わなくても背中を見て若手がどう感じるかというところもあると思う。次のサイクルにおいても、彼女は自分の成長、ターゲットに向けて頑張りたいと話してくれた。次にバトンを渡す指導者にもアピールできるようなプレーを期待した」 ─前回(10月上旬)のメディアブリーフィングで年内に新監督を決めたいというような話があったが、ここまでで進展はあるか。 「以前話したときと同じくらいのレベル。大変申し訳ないが、まだ決定事項はない。いろいろと面談をしたりはしているが、(メディアブリーフィングで)今回のスタッフ体制を発表したときと同じような状況。年内にはなんとか頑張ります」 ─U-20日本女子代表のメンバーから数人選ばれてるが、彼女たちに期待すること、求めていきたいことは。 「彼女たちだけでなく、藤野、浜野、古賀、谷川など10人近い若い選手がいる。彼女たちは非常に質が高く、急成長してくれている。日本の宝だと思う。早くさまざまな経験をし、ベテランの選手がいる間にイズムを受け取ってほしい」 ─LINE等で連絡を取り合ったと思うが、選手たちから何か要望はあったか。 「ヨーロッパ組を始め、彼女たちは前後に試合が多くあるので、非常にコンディションには気を使っている印象だった。その辺りをしっかりと把握しながら準備をしなければならない。試合前日はハードにできないので、2日間くらいの練習で試合に臨むという中で、先ほど述べたような修正をして準備できたらと思う。選手のコンディション状況を見た中で焦らずにしっかりとトレーニングし、ピッチ内で表現できたらと思う」 ─MF宮澤ひなたが招集されていないが、コンディション不良か。 「試合にはしっかり出ていて、評価を落としたわけではない。WEリーグで活躍している選手が彼女に刺激を与えて成長に繋がってほしい。彼女は経験もあるので、今回は選んでいないが、今後に期待している」