俳優・上村侑20歳 念願の時代劇、だけど刀も甲冑もなくて
“スナフキン”のように生きています
オフの過ごし方は「スナフキン」だと笑う。スナフキンはムーミンシリーズに登場する人間に似た妖精で自由に旅することをこよなく愛する。自由気ままな生き方と独自の価値観でファンを魅了する人気キャラクターだ。 「僕はそんなふうに思ってなかったんですが、周囲の人たちに言わせるとスナフキンみたいな生き方をしているらしくて。その日暮らしというか、今日はお絵描きしたいからしよう、今日は映画観たい、今日は寝る、本当にその日その日でバラバラで、周りには苦労かけているのかもしれません。家族にも『すごく自由なのはいいんだけどさ、明日は何するの?予定立てられないじゃないの!』ってよく言われます(笑)。もし役者じゃなければ何もしていないかもしれないです。バックパックして旅したりとか。それこそスナフキンですよね(笑)」 そんなふうに自由な上村だが、俳優としては着実に歩みを進める気持ちで今後は自分を確立していきたいと話す。 「やっぱり役者としての代名詞みたいなものは欲しいと思っています。眼力ならこの役者だとか、異名みたいなもの。自分のスタイルがまだぜんぜん確立できていないので、今はひたすらいろいろな役をやりながらどこが自分のポジションに合っているのか模索しているところです」 スナフキンの旅は始まったばかりだ。 (写真と文:志和浩司) ■上村侑(うえむら・ゆう) 2002年11月2日鹿児島県出身。 2020年公開の映画『許された子どもたち』で第75回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。映画『空のない世界から』(22年)、『ワタシの中の彼女』(22年)、ドラマ『ファーストペンギン!』(22年)などに出演。映画『近江商人、走る!』(12月30日公開)では主人公・銀次役で主演。共演は森永悠希、黒木ひかり、田野優花、筧利夫ら。