【京都大賞典】開幕週で強靭なスタミナと先行力が生きる 京大競馬研の本命はディープボンド
開幕週の高速馬場とコース形態の兼ね合いに注意
10月6日(日)に京都大賞典(GⅡ)が行われる。1着馬には天皇賞(秋)の優先出走権が与えられ、秋のGⅠ戦線を占う重要な一戦。今年は春のグランプリ・宝塚記念を制したブローザホーンをはじめ、昨年の勝ち馬プラダリア、天皇賞(春)で4年連続馬券圏内の偉業を達成したディープボンド、昨年の神戸新聞杯勝ち馬サトノグランツなど、11頭の少頭数ながら多くの重賞勝ち馬が集結した。 【毎日王冠2024 推奨馬】能力は断然No.1!複数の好データ持ちで圧勝だ SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 以下では、本レースが行われる京都芝2400mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まずは京都芝2400mのコース形態をみる。4コーナーポケットからスタートし、初角までの距離は約600m。平坦な1~2コーナーを回り、バックストレッチは約500m。向正面半ばから上り坂があり、3コーナーで頂上を迎え、そこから4コーナーにかけて一気に下る。最終直線はAコース使用時403.7mで平坦となっている。 まず注目すべきは初角までの距離だ。約600mとかなり長い。先手争いは長引きやすく、序盤のペースは流れやすい。1~2コーナーに入った後はペースが落ち着き、向正面に上り坂があるため、ここでもペースは上がりにくい。 加速するのは3コーナーの上り坂頂上から。ここからの下り坂で先行勢が一気にスピードを上げていく。そのため最終直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくい。 こういうコース形態の場合、通常は先行勢がそのまま押し切りやすい。しかし京都芝2400mは初角までの距離が長く、序盤の先行負荷がそれなりに大きいため、地力のない先行勢は最終直線半ばで一気に脱落する。したがって3~4コーナーの下り坂を生かして前目の位置までマクれる差し馬が恵まれやすい。これがこのコースが持つレースの質だ。 ただ注意しなければならないのは、今回が開幕週の馬場という点だ。特に今年は阪神競馬場の改修工事の影響で年末まで続くロングラン開催。馬場造成はかなり硬めで、開催序盤は内前有利の高速馬場だと想定される。マクり差しが届きやすいコース形態と、内前有利の高速馬場の兼ね合いをどう捉えるかが重要だ。 <京都大賞典 4角5番手以内馬の成績(京都開催の直近10回)> 【6-7-4-35】勝率11.5%、連対率25.0%、複勝率32.7%、単勝回収率218%、複勝回収率103% この兼ね合いの難しさは数字にも表れている。京都大賞典で4角5番手以内馬の成績は上記に示した通り優秀。ただ馬券内30頭のうち17頭と、馬券内を独占するほどではない。開幕週だからといって、4角で前目の位置にいることが必須条件とまでは言い切れないだろう。これはマクり差し有利なコース形態に起因する。 先行勢であれば序盤の先行負荷に耐えられる地力の高さ。後方勢であれば下り坂を利用して前目の位置までマクれる機動力。今回印を打つ上でこの2点を重視したい。