【京都大賞典】開幕週で強靭なスタミナと先行力が生きる 京大競馬研の本命はディープボンド
開幕週の馬場を生かせる地力の高い先行馬を重視
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が4頭で、出走馬全11頭に対して少なくない。 ただ今回はバビットのテンの速さが抜けている。この馬がペースメーカーとなる可能性が高い。同馬の近4走を見ても他馬にあわせて逃げるペースを変える馬ではない。今回も1000m通過60秒を切るようなハイペースで逃げるだろう。ただ、他の先行馬は追走力がそこまで高くなく、バビットの単騎逃げが濃厚。やや離れて馬群が伸びた2番手集団といった形が想定される。 この展開で最も恵まれるのは、序盤の先行負荷をものともせず開幕週の馬場を生かせる先行馬だ。道中仕掛けるタイプの差し馬が少なく、中盤でペースが緩んでも、縦長の馬群はそこまで縮まらないだろう。 機動力を持つ差し馬よりも、下り坂から惰性で残せる先行馬(序盤の負荷をものともしない地力とスタミナがあることが大前提)の方がやや展開有利だと考える。
強靭なスタミナと安定した先行力が武器
◎ディープボンド 前走の宝塚記念は0.9秒差7着。重馬場の外ラチ沿いしか伸びない超外差し馬場での敗戦で、完全に度外視可能だ。 2走前の天皇賞(春)は0.4秒差3着。1000m通過59.7秒という3200mとしては超ハイペースを2番手で先行。2、4、5着に4角10番手以下の馬が入る差し有利な展開を強靭なスタミナで粘り、天皇賞(春)4年連続馬券内の偉業を達成した。逆に3走前の阪神大賞典はスローペースからの瞬発力戦。上がり3Fのキレ味がない本馬には分が悪かった。 近3走からみて、この馬の最大の武器は間違いなくスタミナ。好走パターンは明確で、重賞級の馬でも脱落するような流れを先行し、持ち前のスタミナを生かす競馬をしたときだ。 今回、バビットが作るハイペースな展開はピッタリ。鞍上の幸英明騎手も1週前追い切りで「前々で運んでスタミナを生かす形が理想」と話した。この馬の良さを最大限に引き出してくれるだろう。近2走からは1kgの斤量減、得意な京都コースと像県は揃い、開幕週の高速馬場なら簡単には止まらない。 ◯ブローザホーン 前走の宝塚記念は超外伸び馬場の恩恵はあったものの圧勝。2走前の天皇賞(春)は差し有利な展開が向いての0.3秒差2着。能力、実績ともに間違いなく最上位だ。 同条件の日経新春杯を勝った実績もあり、本命級の評価を与えるのが妥当だ。脚質的には最後方からの競馬が想定されるが、高確率で馬券内には来るだろう。しかし、今回は開幕週の馬場で大外枠、キャリア最重量の斤量59kg。1着には届かない可能性も十分にあるとみて対抗とする。 ▲プラダリア 前記2頭に次ぐ実績馬。今年の京都記念と昨年の京都大賞典を勝利しているように京都コースは得意としている。安定した先行力と堅実な末脚を使えるのが最大の強み。 近2走はGⅠでも僅差の4、6着と走っている。前々で運び、持ち前の堅実な末脚を発揮できれば順当に上位に好走してくる。 △サトノグランツ 昨年の神戸新聞杯勝ち馬。開幕週の最内枠と枠に恵まれた。枠の利を最大限に生かせば。 ×スマートファントム 前走の天皇賞(春)は差し有利な展開も向いて0.5秒差4着。ここでも通用する能力はある。 ×バビット 今回の逃げ馬。ハイペースで逃げると考えているが、ペース次第では残る可能性もある。 買い目は◎単勝1点、◎-◯-▲△×3連複4点で勝負する。(花田) ▽京都大賞典予想▽ ◎ディープボンド ◯ブローザホーン ▲プラダリア △サトノグランツ ×スマートファントム ×バビット ライタープロフィール 京都大学競馬研究会 今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
京都大学競馬研究会