政府が「中堅企業」を新たに定義 どんな企業が該当するの? 政府が打ち出す支援パッケージは? 専門家が解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。3月21日(木)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「政府が”中堅企業”の成長を後押し」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。
◆そもそも「中堅企業」とは?
政府は、従業員が2,000人以下で中小企業には該当しない企業を新たに「中堅企業」と定義することを盛り込んだ「産業競争力強化法」などの改正案を通常国会に提出しました。 持続的な賃上げの実現に向けて、中小企業より規模が大きく、雇用の受け皿になっている「中堅企業」の成長を後押ししようと、補助金や税制優遇などの支援パッケージを取りまとめました。 ユージ:塚越さん、大企業と中小企業はわかります。「中堅企業」は、あまり耳なじみのない言葉ですが、これはどのような企業を指すのでしょうか? 塚越:法令の定義では、大企業は従業員が2,000人以上で、中小企業は300人以下。新しく定義される「中堅企業」は、この間の「従業員が300人以上~2,000人以下」の企業を指します。 中堅企業は、大企業と比べると規模は小さいですが、独自の技術や製品を持っていることも多く、上場はしていないものの、特定の業界では競争力を持っているのが特徴です。 対象となるのはおよそ9,000社。海外向けというよりは地域に根ざした企業が多いとのことです。例えば氷菓の「ガリガリ君」で有名な赤城乳業などが該当するということです。 ユージ:専門的な技術や人気のオリジナル製品を持った地方の企業や、新たなイノベーションを打ち出すスタートアップ企業も中堅企業に入ってきそうですね。
◆「中小ではないが、大企業ほどの体力はない」ゆえに支援されることが少なかった
吉田:政府は、なぜ「中堅企業」を定義して支援を打ち出したのでしょうか? 塚越:一言で言えば、(現状の制度では)支援対象になることが少なかったからです。中小企業は社員300人以下で資本金3億円以下。それ以外は大企業とされています。 中小企業向けには、コロナ禍でも実質無利子無担保の融資などがありましたが、中堅企業はそうした政策には当てはまりません。しかし、大企業ほどの力はない。中堅企業から大企業に成長する割合は多くないのですが、政府としても法律や政策面で中堅企業を支援して、日本経済を牽引してほしいと考えています。これによって賃上げや地方の人手不足解消、地域経済の底上げを狙っています。 ユージ:番組でも、地方の人手不足の問題を取り上げていますが、その解消と地域経済の活性化というのは、これからの日本経済にとって重要なカギになってきそうですよね。