ジープの代名詞「ラングラー」新型発売。予想外のプライスダウンはZ世代へのアピールとシェア拡大が狙い
しかも、ステランティス ジャパンによれば、アンリミテッド サハラやアンリミテッド ルビコンの新型モデルは、サイドカーテンエアバッグや新型の12.3インチモニターなど、より充実した装備の価値と値下げぶんを合計すれば、それぞれ約70万円もリーズナブルな価格設定にしているという。円安が続く昨今、輸入車であるにもかかわらず、価格を下げたというのは驚きだ。ステランティス ジャパンのこうした価格戦略は、近年、国内で需要が伸びるラングラーの新車販売台数を、さらに引き上げることが目的のようだ。
同社によれば、近年は、輸入車でもSUVの人気は高く、新車販売台数は全体の約50%を占めるという。なかでも、2018年に日本へ導入した4代目ラングラーの国内累計販売台数は、2023年末時点で2万5000台以上。これまでのシリーズで最多の新車販売台数を記録するほど需要が伸びているという。とくに、ここ数年はかなり好調。JAIA(日本自動車輸入組合)のデータによれば、ラングラーの新車販売台数は、2020年に5756台、2021年には6930台を記録。2022年では3814台とやや落ち込んだが、2023年には4078台まで回復し、順調な伸びをみせているという。
こうした背景からステランティス ジャパンでは、新型モデルをリリースするタイミングで、前述のように、ラングラーのシェア拡充を目指しているのだ。とくに価格を下げることで、これも先述のとおり、同モデルの購入層で増えているZ世代などにアピールしたいと考えているという。従来モデルでも、購入者の平均年齢は43歳と比較的若いことも、こうした戦略を後押しする。同社の値下げ戦略に対し、市場がどのような反応を示すかが今後注目だ。
なお、ステランティス ジャパンでは、新型ラングラーの発表を記念した2タイプの特別限定車も用意。アンリミテッド ルビコンをベースに、ビビッドな黄色のボディカラーを採用した「アンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ(Unlimited Rubicon High Velocity)」を限定10台、税込み899万円で発売。また、アンリミテッド サハラをベースに、ジープの誕生年である「1941」のロゴ入りテールゲートデカールなどの特別装備を施した「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」も用意。こちらは、300台限定で、価格(税込み)は849万円だ。