【日本ハム】新庄剛志監督(52)覚悟の3年目・大航海の果てに見た景色 プロ野球12球団担当記者が見た2024年
スローガンは…大航海
「一緒に船に乗ってくれますか?」 2024年1月11日午後1時11分、エスコンフィールドの大型ビジョンに新庄監督の姿が映し出された。チーム創設50周年、節目のシーズンスローガンは「大航海」。 ここには新庄流の粋な演出があった。ファンを何より大切にする「信条」で、案をファンから募集。集まった8608点の中から新庄監督自らが選んだのだ。 「ファンという宝物を積み込んだ船には、2年間辛酸をなめながらも着実に力をつけたクルー《選手・監督コーチ・スタッフ》も乗り込み準備は整った。荒波をものともせず、どのチームよりも長くシーズン(航海)を続け、歓喜を分かち合う瞬間を思い描きながら最後に光り輝く地(日本一)へたどり着く」と、3文字に込めた思いについて新庄船長は語った。 スローガン「大航海」の発表直後、開幕投手を担う伊藤大海はこのように語ってくれた。 「僕の名前(大海)が入っているというのが第一印象。穏やかな海に出るような状況ではない中で、新庄監督が思い切って舵を取れるよう、開幕投手として船旅に出る第一歩になるようしっかりと投げたい。そしてどこのチームよりも長く大航海できるシーズンにしたい」
ミレニアム世代の台頭
24年シーズンの日本ハムを象徴するのが2000年代に生まれた選手たち。 この世代で最もブレイクした選手と言えるのは入団7年目の田宮裕涼。 23年シーズン、出場10試合に留まっていた捕手が開幕戦でスタメンマスクを被った。その試合、2打数2安打の活躍を見せると、その後も7月後半までは打率3割台をキープ。本人が目標としているソフトバンク・近藤健介を彷彿させるバッティングフォームから量産される安打で、一時期は首位打者へと躍り出た。 ”ゆあビーム”とファンから呼ばれる強肩、さらに走れるのも田宮の魅力。来シーズンは目標越えの「首位打者(24年シーズンは近藤健介)」を勝ち取ってほしい。 【2024年成績】 田宮裕涼(捕) 109試合 3本塁打 30打点 10盗塁 打率.277 前年の現役ドラフト(出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する制度)でソフトバンクからやって来た一軍出場経験なしの未知数選手・水谷瞬が移籍1年目で、いきなり大輪の花を咲かせた。 5月に1軍昇格を果たすと、交流戦では歴代記録を更新する打率.438で交流戦首位打者になり、最優秀選手賞(MVP)を獲得。また、シーズンで4本の先頭打者ホームランを放ち、球団としては26年ぶり、北海道移転後初の快挙も成し遂げた。 ネガティブな印象を抱かれがちだった現役ドラフト制度の概念を、ミレニアム世代スラッガーが自らのバットで見事に打ち砕いた。 【2024年成績】 水谷瞬(外) 97試合 9本塁打 39打点 4盗塁 打率.287
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