同居なんてしなければ…〈年金月25万円・退職金2,000万円〉の67歳・元会社員、二世帯住宅で“夢の老後生活”を始めるも一転、大修羅場→親子断絶へ。さらに判明する「衝撃の事実」に絶句【FPの助言】
引退後、愛する子や孫と一緒に幸せに暮らす老後に憧れる人も少なくないのではないでしょうか? その際、程よい距離感を保てる「二世帯住宅」は人気の高い選択肢といえます。一見、メリットの多そうな二世帯住宅での暮らしですが、蓋を開けてみると「想定外の事態」が待ち受けていることも。今回は、60代夫婦の事例をもとに、二世帯住宅での同居が失敗してしまうケースについて、ファイナンシャルプランナーの辻本剛士氏が詳しく解説します。 ▼【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
「選択は間違っていなかった」…娘を想って二世帯住宅へ
富永浩二さん(仮名・67歳)は元大手企業の広報部で長年勤めたあと、現在は夫婦2人で暮らしています。夫婦でこれまで貯めてきた貯金2,000万円と定年退職時に受け取った退職金2,000万円を合わせて、総額4,000万円の資産があります。年金は夫婦で月25万円、住宅ローンも完済済みの富永さん夫婦は、貯金を取り崩すこともほとんどなく、穏やかな日々を過ごしています。 そんな富永さん夫婦には、一人娘の咲さん(仮名・37歳)がいます。咲さんはすでに結婚しており、3歳になる子どもと夫の3人暮らしです。現在、家賃9万円のマンションで生活していますが、夫の年収は300万円ほどと決して余裕があるわけではなく、咲さん自身も家計を支えるためフルタイムで働いています。 子どもの保育園の送迎や家事のほとんどを咲さんが担っているため、仕事と家事の両立で目が回るような忙しい日々を送っており、週に一度は富永さんの家に子どもを連れて帰り、母に愚痴をこぼしては息抜きをしていました。そんな娘の暮らしぶりを心配そうに見守る浩二さんは、なにか娘のためにできることはないかと考えていました。 そんなある日、浩二さんが友人と久しぶりに会った際に「二世帯住宅に建て替えて、娘夫婦と一緒に暮らし始めた」という話を聞きました。 「孫の顔も毎日見られて幸せだし、娘も仕事と育児の両立が楽になったみたいだよ」と語る友人に、浩二さんは「自分たちにもできるのではないか?」と考え始めます。帰宅後、妻に早速相談し、二世帯住宅の案を具体化していくことに。 そして、二世帯住宅について娘の咲さんにも伝えると、咲さん家族も大賛成。浩二さん夫婦と咲さん家族が集まり、不動産会社を通じて真剣に計画を練り合うなかで、最終的に建築費用は総額5,000万円に決まりました。そのうち、浩二さんが3,000万円を頭金として納め、残りの2,000万円を咲さん夫婦がローンで支払うことになりました。 浩二さん夫婦は、咲さんの負担を軽減できること、毎日孫の顔を見られること、そして万が一の際には娘夫婦がサポートしてくれるという期待感もあり、「この選択は間違っていなかった」と満足げです。一方、咲さん夫婦にとっても、これまで毎月9万円だった家賃が5万円程度のローン返済に収まることになり、住居費を大幅に削減。さらに子どもを両親に預けやすくなるなどの利点もあるため、双方にとってメリットの大きい決断となりました。
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