同居なんてしなければ…〈年金月25万円・退職金2,000万円〉の67歳・元会社員、二世帯住宅で“夢の老後生活”を始めるも一転、大修羅場→親子断絶へ。さらに判明する「衝撃の事実」に絶句【FPの助言】
最初は問題なく過ごしていたが…
二世帯住宅が完成し、富永さん夫婦と咲さん家族の新しい生活が始まりました。新居は、1階が富永さん夫婦の住まい、2階が咲さん夫婦の住まいという構造になっています。さらに、トイレや浴室、キッチンといった水回り施設はそれぞれ別々に設けられ、プライバシーにも配慮がなされた空間となっていました。 最初のころはまさに理想的な二世帯生活。1階のリビングには自然と家族全員が集まり、孫の成長を見守りながら、賑やかで楽しい食卓に囲まれていました。 「これが二世帯住宅の良さだな」 浩二さんは、娘家族と一緒に過ごせる幸せをかみしめ、孫の無邪気な笑顔に癒される日々が続きました。 しかし、同居を始めて半年が過ぎた頃から、浩二さん夫婦は次第に居心地の悪さを感じるようになります。原因は、2階から聞こえる孫の足音。孫は元気いっぱいで、家中を走り回ることが日常茶飯事。特に朝早い時間や夜遅い時間に「ドタドタ」という足音が響き渡ると、1階に住む浩二さん夫婦は静かに過ごすことができず、徐々に心身ともに疲労感が募るようになりました。 さらに、光熱費の問題も浮き彫りになります。当初は「折半」という取り決めでスタートしたものの、娘夫婦の生活スタイルは、浩二さん夫婦とは大きく異なっていました。 たとえば、電気代。娘夫婦は夏も冬もエアコンをつけっぱなしの生活でしたが、浩二さん夫婦は節約を心がけ、無駄な電気はこまめに消す生活を続けていました。それだけに、自分たちの使った分よりも明らかに多い光熱費に、だんだん不公平感を抱くようになります。
孫は可愛いが…不満が募る日々
ある夜、浩二さんは体調が優れず、いつもより早めに寝室へと向かいました。しかし、そんな浩二さんの耳に響いてきたのは、2階からの「ドタドタ」という孫の走り回る音。何度も目が覚めてしまい、ついに浩二さんは我慢の限界を迎え、階段下から大声を張り上げてしまいます。 「少し静かにしてくれ!」 突然の怒鳴り声に、2階から下りてきた咲さんは、思いもよらない言葉を返してきました。 「いちいち怒鳴らないでよ。子どもなんだから走るのは当たり前でしょ!」 まさかの冷たい物言いにショックを受ける浩二さん。その日を境に、浩二さんは咲さん夫婦に対して心を完全に閉ざすようになります。一緒に集まる機会はめっきり減り、食卓での笑顔も消え、二世帯住宅に気まずい空気が流れるようになったのです。 同居開始から3年後、とうとう両者の不満が爆発 そんななか、迎えた3年目の年越し。富永さんの妻が「年越しくらい、みんなで一緒に過ごしましょう」と提案し、久しぶりに1階に両家族が集まることになりました。 しかし、咲さん家族は約束の時間になっても姿を見せません。30分ほど遅れてようやく下りてきたものの、どこかけだるそうな雰囲気を漂わせていました。 静かな空気のなか、食卓に並べられた年越しそばのお椀を孫が手に取りましたが、うっかり手を滑らせ、ひっくり返してしまいます。 「ちょっと気をつけなさい!」 時間に遅れてきた娘家族へのイラつきもあり、つい強い口調になってしまった浩二さん。これを手始めに、父と娘の激しい口論が始まります。 娘「そんなに神経質にならなくてもいいでしょ! 子どもなんだから仕方ないじゃない!」 父「仕方ないとはなんだ。うるさい足音も注意しないし、お前、ちゃんと教育できているのか!」 娘「なによそれ! 他人の教育にケチつける気? そっちだってなにかにつけて文句ばっかりじゃない! 足音がうるさいだの、電気代が高いだの、いちいち細かいのよ!」 さらに、怒りに任せて、咲さんから極めつけの一言が飛び出します。 「そんなに神経質になるなら、一緒に住まなきゃよかったじゃない!」 この言葉に、浩二さんの怒りは頂点に達します。思わず「うるさい! 黙れ!」と大声で怒鳴る大修羅場に。 あまりの光景に、孫は驚いて号泣。富永さんの妻や咲さんの夫が仲裁に入り、なんとか大喧嘩は収束するも、こうなってしまってはもはや修復は不可能。話し合いの結果、別々に暮らすという結論に至りました。
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