史上初のハードル2種目代表入りを狙う豊田兼 開幕前日会見で自信を見せつつ不確定要素にも言及【日本選手権プレビュー】
400mハードルに関してはGGPの快走をもとに、かなり具体的なレース展開がイメージできている。まずは先に行われる400mハードルで五輪代表を決めて、精神的なストレスを軽くした上で後半に行われる110mハードルに挑む予定だ。 ■やってみないとわからない部分 110mハードルの自己記録は13秒29。標準記録に0.02秒と迫っているが、400mハードルに比べて大きな試合に出ていないため、世界ランキングで出場資格を得ることは難しい状況だ。 「五輪標準記録を切らないと代表に届かないと思うので、(予選は別として)準決勝、決勝とタイムを狙います。13秒27を切る勢いで出場します」 だが110mハードルに向けては“やってみないとわからない”部分もある。 1つは体力的な部分で、故障のリスクを考えると練習では、試合と同等の負荷はかけられない。400mハードル終了後、あるいは110mハードルの予選や準決勝後の身体的なダメージは、実際にやってみないとわからない部分だ。ハードル種目を1試合で5本を走るケースは、大学の対校戦ではたまに見られる。豊田も大学2年時までは2種目に出場した。だが日本選手権でかかる負荷はインカレよりかなり大きい。 「どうなるかわからない部分がありますが、体力的にもギリギリ勝負できるかな、と思っています」 もう1つは両種目を動きの面、トレーニング面で両立させる部分だ。大学3年時以降は試合に出る時期も、練習で行う時期も、110mハードルと400mハードルを明確に分けていた。その方が練習中の課題を意識しやすかったし、レースでは特に、400mハードルの直後に110mハードルに出ると「ケガのリスク」があった。「今回は試合を連日で走ることになるので、少し脚がもつか心配はある」と、正直に話した。豊田はやみくもに自信があると話すのでなく、しっかりした根拠をもとに自信を述べている。 ■それでも2種目に挑戦する理由 成功する保証はないが、ハードル2種目に挑戦する理由を次のように話した。