新iPad miniは「見た目以上」のアップデートと値頃感、唯一のプロ向け小型端末に
通信の有無はApple Intelligenceの機能に大きな影響与えない
このように書くと、常にオンラインの状態であるiPhoneとは異なり、通信サービスに加入していないケースもあるiPadでは、Apple Intelligenceの利用できる場面が限られているのではないかと考えるかもしれない。 しかし、英語版でテスト運用始まっている様子を見る限り、ほとんどの機能はデバイスの中だけで完結している。例えば、Androidでいうところのの「消しゴムマジック」、アップルは「クリーンアップ」と呼んでいるが、写真の中から不要な対象物を消してしまう機能はオフラインでも利用できる。文章を作成するための支援機能や、全体の文脈を把握して清書を行う機能はすべてオフラインで動作可能だ。 画像のクリーンアップでは、オンラインになると応答が遅くなる傾向が、現時点では存在するため、デバイスの中だけでも、クラウドでも両方で処理できるようになっているようだが、その違いを意識することはないといってよい。オンラインとオフラインで結果を比較しても、ほとんど差を認めることができないからだ。 それでもプライベートクラウド機能を実現してまで、より大きな問題解決ができるようにしたのは何かの理由があるのだろうが、基本的にはデバイスの中だけで問題解決が行えるようにApple Intelligenceは設計されていると考えられる。 iPad miniのようなデバイスでは、スマートフォンとは異なり、データ通信契約をしないまま、使い続けるケースが多いのではないだろうか。そうした場合でも、新しいiPad miniが将来的に対応するだろう。通信の有無がApple Intelligenceの機能に大きな影響与えないことは、製品を購入する際の参考にはなるだろう。 もちろん、オンラインでクラウドに繋がっていれば、Siriを通じた自然な対話も可能になり、複雑なタスクもスムーズにこなせるようになる。例えば「先週の会議の内容を要約して、次の会議の議題を作成して」といった複雑な指示も、コンテキストを理解して適切に処理できるようになる。 ■「mini」ながらプロフェッショナルクリエイターの道具に 今回のアップデートは、iPad miniを単なる情報を閲覧するだけの端末として使っていたり、ちょっとした動画の視聴や電子書籍を読むための道具として使っている人には、あまり大きな刺激を与えないかもしれない。 しかし、視点を変えてみると、その用途は大きく広がっていることに気づくだろう。