今年の有馬記念は中山競馬場で観戦します。ネットではなく現地で馬券を購入すれば、高額配当しても税務署にばれませんか?
今年の有馬記念を中山競馬場で観戦し、現地で馬券を購入する予定の方々にとって、気になるのが高額配当の税金です。競馬で高額な配当を受け取った際の税務処理の方法や、現地で馬券を購入する際の注意点について説明します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
競馬で得た利益は確定申告が必要
競馬で得た利益は「一時所得」または「雑所得」として分類され、確定申告が必要になることがあります。一時所得には、懸賞や福引の賞金、競輪の払戻金なども含まれます。 ただし、必ずしも全てのケースで確定申告が求められるわけではありません。確定申告が必要となるのは、年間の利益が50万円を超える場合です。 ■競馬の払戻金に対する一時所得の課税計算方法 一時所得の課税所得額および課税額の計算方法は以下の通りです。 ・一時所得の計算方法 一時所得=総収入金額-収入を得るためにかかった費用-特別控除額(最大50万円) ・一時所得の課税金額の計算方法 一時所得の課税金額=一時所得の金額×1/2 以下の条件下の場合について考えてみましょう。 ●1年間に払戻金が1000万円 ●馬券の購入費が40万円 ●はずれ馬券の購入費が1400万円 一時所得の計算では、経費として認められるのは馬券の購入費用のみです。 はずれ馬券の費用は対象外となります。 払戻金から経費(40万円)と特別控除(最大50万円)を差し引くことで、一時所得は910万円となります。一時所得の課税金額は、一時所得金額の半分(2分の1)になるので、課税金額は460万円となります。
競馬の高額払戻金とリスクについて
現在、馬券をインターネット馬券購入サービスで購入し、1口で1000万円以上の払戻金を受けた場合、JRAはその情報を国税庁に報告する義務があります。つまり、仮に申告しなくても、国税庁に情報が伝わる仕組みになっているのです。 競馬場やウインズで購入した場合も同様に、払戻金が高額であればあるほど、その扱いには注意が必要です。そのため、高額な払戻金を受け取った場合、銀行に預けることを考えるかもしれませんが、急に大きな金額が振り込まれると、銀行側で不審に思われる可能性もあります。 さらに、SNSで競馬の予測や結果を公開している場合、その儲け額がすぐに明らかになってしまうこともあるため、注意が必要です。 ■競馬の高額払戻金で追徴課税 芸能界でも、競馬で高額配当を得た後に追徴課税を受けた事例があります。お笑いトリオ・インスタントジョンソンのじゃいさんは、2020年12月に競馬で6400万円の払戻金を得たことを報告しました。税金の支払いは済ませたものの、その後、税務調査が行われ、外れ馬券を経費として計上していたことが原因で、追徴課税を受けることになったようです。 このケースでは、経費として認められない外れ馬券が含まれていたことが問題となり、結果的に高額な追徴課税が課せられました。 その後、じゃいさんは多額の追徴課税に対して異議を申し立てました。はずれ馬券が経費として認められないことに疑問を感じたためです。しかし、国税不服審判所への申し立ては認められませんでした。 じゃいさんと同様に、はずれ馬券を経費として認めるよう求めた人物がいます。この人は約72億7000万円分の馬券を購入し、約5億7000万円の利益を得ていました。最終的に、最高裁でそのはずれ馬券も経費として認められる判決が下されました。 このようにはずれ馬券の購入費用も経費として認められる判決はありましたが、はずれ馬券が経費として認められるのはレアケースです。