日章学園FW高岡伶颯

　全国48代表校チームが参加し12月28日に開幕を迎えた第103回全国高校サッカー選手権大会。12月29日千葉・フクダ電子アリーナでの1回戦第2試合では秋田県決勝で秋田商を2-0と完封し、12大会ぶり10度目の出場を決めた西目(秋田)と、宮崎県大会決勝では2025年から世界トップリーグの1つであるイングランドプレミアリーグ・サンサウプトンに進むU-19日本代表FW高岡伶颯(3年）の2ゴールなどで宮崎第一に5-0で圧勝。3大会連続18度目の出場を決めた日章学園(宮崎)とが対戦した。 【フォトギャラリー】西目vs 日章学園 　今季はインターハイ3回戦で静岡学園(静岡)に1-2、プリンス九州では準優勝、プレミア参入戦でも1回戦で東京ヴェルディユースに1-2と全国トップクラスに迫る実力を有する日章学園のスターティングイレブンは宮崎県大会決勝戦と同様の11人に。フォーメーション「4-4-2」のGKは1有薗大樹(3年)。4バックは右から2野口昊平(2年)、3吉川昂我(3年)、4藤山真(2年)、13三田井宏生(3年)。中盤はダブルボランチに20吉崎太珠(1年)と40メートルのロングスローが武器の6小峠魅藍(3年)が入り、サイドハーフの右にU-18日本代表でJ2ベガルタ仙台内定のスピードスター7南創太(3年)、左に8川越廉斗(3年)。2トップは9水田祥太朗(3年)とキャプテンも務める14高岡(3年)となった。 　一方、インターハイ初戦でFW名和田我空(J1・G大阪内定)擁する神村学園(鹿児島)に0-8で破れた苦みを拭いたいフォーメーション「4-2-3-1」の西目は、GKは1成田晃也(3年)。4バックは右から24三浦樹(3年)、3吉田碧(3年)、キャプテンの4堀田昊生(3年)、9佐藤快斗(3年)。中盤はダブルボランチが6佐藤龍之介(2年)と7鈴木蒼士(3年)。サイドハーフの右が26浅野彩斗(2年)、左が8西澤陽(3年)。トップ下に10嵯峨聖央(3年)、ワントップは27佐藤一汰(2年)。秋田県大会決勝前半で負傷し、今大会はメンバー外となった左MF佐藤琉(2年)以外はの10名は同じメンバーとなった。 　ファーストシュートは3分、ハイラインハイプレスを仕掛けてきた西目の8西澤。が、その後の時間帯は日章学園の「14」に彩られることになる。10分、7南の右クロスを受けて反転しながらの右足シュートで先制点を奪った高岡は、17分には左足、アディショナルタイムには頭で前半だけでハットトリックを達成。どこからでもゴールを奪えるシュート力ばかりでなく高速ドリブルに2アシストとパス供給のアイディアにも優れる「高卒海外組」は、今大会ナンバーワンプレーヤーの称号に違いなき実力を証明した。 　ただ、西目も1-4となった37分には右サイドからのスローイン処理を相手が誤る間に6佐藤隆之介が入り込み1点を強奪。前半の大量失点が響き1-6と敗れたものの、後半も10嵯峨のテクニカルなドリブルなどで日章学園ゴールを脅かす健闘は見事だった。 　かくして「大会20ゴールを目標にしている」高岡の3ゴールで選手権では2大会連続で鬼門になっていた初戦を突破した日章学園は、12月31日に千葉・フクダ電子アリーナ会場の第1試合で矢板中央(栃木)と対戦する2回戦進出が決定。「なかなかうまくいかないことが多かった」と原啓太監督も振り返ったように、後半課題が残った攻撃から守備への切り替えを修正することが、チーム上位進出へのカギになりそうだ。 　　　　　　　　　　　 (文・写真＝田原豊)