日本人選手たちが好発進!「オリンピック予選シリーズ(OQS)」上海大会 女子スケートボードパーク種目
【ラン3本目】 選手によって様々な心境が行き交う中で迎えたラスト1本、ベストラン採用のためここで決めれば十分巻き返すチャンスがあるが暫定のトップ3はアリサ、開、四十住の順は変わらなかった。まず今回非常に難しい戦いを強いられたのはオーストラリアのルビー・テルー。今回3本を通して前半でおなじディープエンドでの「540」を上手く決められないまま終えた。 一方でスコアアップさせてきたのはブライス・ウェットスタインとドーラ・ヴァレーラだ。ブライスは様々なトリックチョイスで見せ、「ジュードーエアー」「フロントサイドフィーブルグラインド to フェイキー」そして「ハーフキャブロックンロールスライド」をメイク。ブライス自身も自分の納得いくランを決めることができたからか喜びが溢れて自分が用意したバラを観客にあげる様子も見られた。そんなランのスコアは83.78ptの評価。 そしてドーラは「ヒールフリップインディグラブ」「アリウープ」「フロントサイドフィーブルグラインド to フェイキー」などをスイッチスタンスなどの難しい姿勢でメイクしたことで85.26ptをマークした。 その後アリサのスコアを超えて優勝の座を奪取するべくラストランに臨んだのは開と長谷川。まず開は「バックサイドノーズグラインド」、「フロントサイドスミスグラインド」、「キックフリップインディグラブ」などをメイクしていき2本目のルーティンの完成度をあげるランを見せるも90.06ptとポイントは伸ばせず2位でフィニッシュ。 また逆転を目指してラストランに挑んだ長谷川はボックスジャンプでの「360」やディープエンドでの「540」を次々メイクしていくも「バリアルフリップ」のメイクに失敗し表彰台の座はアリサ、開、四十住に譲ることとなり、この瞬間アリサの優勝が確定した。 こういったプレッシャーの中で自分のパフォーマンスをしっかり出し切って優勝できるアリサ・テルーの強さを今回感じた。なお3本目では「スイッチ540」にトライしていた彼女。今回メイクすることはできなかったが、決まるといったいどんなスコアが出てくるのか気になる。パリオリンピックでの金メダル候補に名乗りをあげた彼女が、次のブダペスト大会でも良いパフォーマンスを見せてまずパリオリンピックへの切符を掴み取ることだろう。 そして編集部としては今回怪我から復帰後初の表彰台を獲得した四十住さくらがトライした「ノーグラブ540」がアリサの「スイッチ540」に対抗する技になるだろう。パリオリンピックに向けて選手たちが秘密にしてきたトリックの数々の片鱗が見えてきた。本番ではどんな戦いになるのか楽しみだ。