栃木DF大谷尚輝が29歳で現役引退「セカンドキャリアでも自分らしく頑張っていこうと思います」
栃木SCは12月2日、同クラブに所属するDF大谷尚輝が、2024シーズンをもって現役を引退することを発表した。 【ハイライト動画】栃木、最終節は徳島とスコアレスドロー 現役引退に際し、大谷は栃木を通してコメントを発表。栃木だけでなく、これまでにプレーしたサンフレッチェ広島、ロアッソ熊本、FC町田ゼルビア、愛媛FCにかかわるすべての人々への感謝を伝えた後、スパイクを脱ぐ決断を下した背景を次のような言葉で明かし、ファン・サポーターへの感謝と今後への意気込みを綴った。 「2024シーズン限りで、現役引退することを決めました。まず、栃木SCに関わる全ての皆さん、3年間本当にありがとうございました。そして、5歳にサッカーを始めたときから在籍したサンフレッチェ広島、ロアッソ熊本、FC町田ゼルビア、愛媛FC。それぞれのクラブで多くの出会いがあり、多くのサポートをしていただきました。11年間、本当にありがとうございました」 「この年齢で引退を決めた理由として、2つあります。1つ目は、自分が今後もプロサッカー選手を続けたとして、どんなキャリアにしていきたいのか、引退後に自分が進もうとしているキャリアをより良くする為には、どのタイミングでキャリアチェンジするのが良いのか。ここを考えたときに自分のマインド的にも年齢的にも引退するのは今が良いと考えて決断しました」 「2つ目は、脳震盪の後遺症が続いていたからです。最初に症状が出たのは昨シーズンの中盤頃でした。短い期間(復帰プログラム終了後)で脳震盪を繰り返してしまい、ピッチ内だけでなく私生活でも症状が出ていました。頭部にダメージを受けなければ症状は落ち着いていたのですが、今シーズンも(小林)伸二さんが就任した週で脳震盪になってしまい、私生活での症状が続いて約2カ月間離脱していました。チームドクター、トレーナーと何度も検査と診察を繰り返して話し合い、シーズン終盤は試合に出場できていましたが、ピッチ内ではヘディングした後などに症状が出ていて、これで来年以降もサッカーを続けていくのは少し難しいなと考えていました。シーズンが終わってサッカーと離れてからは、私生活に全く影響は出ていないので、そこは安心していただけたらと思います。 「引退することは自分の中で9月頃に決めていましたが、クラブやチームメイトには最終戦後に伝えました。自分のわがままですが、最後までみんなとフラットな状態で競争して自分の価値を示して、自分の意地を見せて終わりたかったからです。ただ、今は試合に出る出ないに関係なく、最後はやり切れて終われたなと思えています。色々な理由でリリースがこのタイミングになってしまいました。申し訳ありません」 「最後になりますが、自分の思う結果が出せないことが多かったプロサッカー選手でのキャリアでしたが、自分にとってのやり甲斐やモチベーションは、試合に勝った後にスタジアムでサポーターの方達と共に喜びを分かち合う瞬間でした。自分は引退を決めていて、残り4試合で残留を懸けた群馬戦で勝てなかった試合後に、ゴール裏のサポーターの声援を聞いたときに、自分がこれまでのキャリアで思った結果を出せなかった悔しさと、11年間続けられた自分の職業に対する誇りも感じ、これまで感じたことのない感情になりました。ファン・サポーターの皆さん、本当にありがとうございました」 「引退後はサッカー界ではない道に進むことを決めました。そこで成長して何らかの形でサッカー界に恩返しできたらと思っています。セカンドキャリアでも自分らしく頑張っていこうと思います。11年間、本当にありがとうございました」 大谷は1995年9月24日生まれの現在29歳。広島県出身で、サンフレッチェ広島の育成組織で育ち、ジュニア、ジュニアユース、ユースと階段を駆け上がった。2014年、MF川辺駿やDF宮原和也(現:東京ヴェルディ)と共にトップチーム昇格を果たしたものの、広島では出番を得られず、ロアッソ熊本への期限付き移籍を挟んで、2016年夏にはFC町田ゼルビアへ期限付き移籍加入。2018年より完全移籍へ切り替わると、主力の一角として活躍を続けた。 2021年には愛媛FCへ期限付き移籍し、2022年からは栃木に在籍。初年度から一定の出場機会を確保し、2024明治安田J2リーグでも16試合に出場。なお、チームは2024明治安田J2リーグを18位で終えており、来季は8シーズンぶりにJ3での戦いに身を置くこととなる。
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