2人の運命を左右する、日々の「小さな意思決定」
ビッドに対する3通りの反応
この力学をもっと理解するために、つながりを求めるビッドに対する3通りの反応について考えてみよう。 1. 積極的に関与する 感情的な反応を返すというのは、パートナーがつながりを求めた瞬間に積極的に関与し、相手の気持ちを肯定することだ。たとえば、心からの関心を示す、追加の質問をする、つながりを築こうとする相手の努力を認める、といった行動がこれにあたる。 こうした反応は「私はあなたを見て、聞いて、あなたが共有しようとしていることを気にかけている」という強力なメッセージを送る。関与の姿勢を示すことで感情的な親密さが育まれ、パートナーとの結びつきが強固になる。 2. 無視する パートナーのビッドを無視したり、まともに取り合わなかったりしたら、どうなるか。すぐさま影響が現れるわけではないが、積み重なれば甚大なダメージになり得る。ビッドを無視されるたびに、感情的なつながりに小さな亀裂が生じる。 パートナーは、その場では傷ついた様子を見せないかもしれない。しかし、あなたが反応や興味を示してくれないと判断した場合、次第にビッド自体をやめてしまう可能性がある。無視されるパターンが続けば、やがて距離感や断絶感が生じる。 3. 関与を後回しにする もう少し気がつきにくい形で感情的な断絶を生むのが、関与を後回しにすることだ。パートナーのビッドに後で応じると示唆しておきながら、実行しないまま終わる場合がこれに当たる。 たとえば、パートナーが何かの話をした時に「それは面白いね! 後で調べてみるよ」と返事をしたものの、その後忘れてしまったり他のタスクを優先したりすると、パートナーはないがしろにされたと感じるかもしれない。こうした「意図しない無視」は、関心がないというメッセージとして伝わる。パートナーに、自分の考えや感情は相手にとってすぐさま注意を払うほど重要ではないのだと感じさせてしまう。 関与を後回しにしていると、遅かれ早かれフラストレーションが蓄積し、感情的な溝が深まる。ないがしろにされていると感じたパートナーは(無視される場合と同様に)、感情的に距離を置くようになる。あるいは、関心を示してもらえない状態を恐れて、つながりを求めるビッドを躊躇するようになるだろう。ビッドの瞬間に交わした約束には気を配り、しっかり関与するよう努力しよう。どうしても対応できそうにない場合は、それを正直に認めることが大切だ。