【F1分析】どうなる2024年のF1チャンピオン争いの結末。まだまだフェルスタッペン優位も、ノリス大逆転の可能性も十分アリ……鍵を握るのはピアストリ?
2024年のF1は、夏と秋にそれぞれ約1ヵ月の長期の休暇を含む近年では珍しいシーズンとなっている。 【写真で見るベスト10】ニッポンのファンが選ぶ”美しい”F1マシン10台 全24戦中18戦が終わり、現在は秋休み。依然としてレッドブルのマックス・フェルスタッペンがドライバーズランキング首位に立っているが、夏休みに入る前から徐々にパフォーマンスを落とし、ライバルたちの接近を許している。フェルスタッペンがタイトルを取り逃がす可能性があると言われ始めているが、それはどれほど現実的なモノになっているのだろうか? 現在ランキング2番手につけるのはマクラーレンのランド・ノリスで、フェルスタッペンとの差は52ポイントである。両者のポイント差が最も広がったのはイギリスGPが終わった時点で、その差は84ポイントだった。つまりノリスは、それ以降の6戦で32ポイントを縮めたという格好だ。
■52ポイント差が持つ意味
ただこの52ポイントという差は微妙な数字である。残りの6戦で獲得可能な最大のポイントは180ポイント。優勝+ファステストラップで合計26ポイントを獲得できる決勝レース6戦(156ポイント)と、スプリントレース3戦(24)の合計だ。ただ、ノリスがスプリント含む全てのレースで優勝し、ファステストラップも全て記録し180ポイントを獲得したとしても、フェルスタッペンが全て2位でフィニッシュすれば129ポイントを獲得することになる。縮まるのは51ポイント。つまりノリスは1ポイントフェルスタッペンに届かない……既に現時点で自力チャンピオンの可能性が消滅しているということになるのだ。 ただドライバー個人での自力チャンピオンの可能性が消滅しているとしても、チームとして自力でチャンピンを目指すことは十分に可能だ。ノリスのチームメイトであるオスカー・ピアストリが1回でもノリスとフェルスタッペンの間に割って入り2位を奪い取れば、ノリスが全勝+全戦ファステストラップを記録した場合、フェルスタッペンが他のレース全てで2位に入ったとしても、ノリスがチャンピオンになるという計算だ。ピアストリが2位に入るのが例えばスプリントだったならば、ノリスとフェルスタッペンは同点でシーズンを終える。ただその場合優勝回数がノリス9勝、フェルスタッペン7勝となり、ノリスに軍配が上がるという計算だ。 極端な事例では、フェルスタッペンがノーポイントを続け、ノリスが獲得可能な最大ポイントを手にし続けた場合では、メキシコシティGPを終えた時点でノリスがランキング首位に浮上し、最短でラスベガスGPで逆転タイトルを決めることになる。 なお現状でチャンピオン獲得の可能性を残しているのは、前述のフェルスタッペンとノリスの他にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ピアストリ、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)の7人ということになる。ただサインツJr.、ハミルトン、ラッセルの3人は、シンガポールGPを終えた時点で首位フェルスタッペンとの差が最大になった。つまり、現時点でも差を広げられているということであり、逆転チャンピオンの可能性はかなり厳しいと言える。
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