「私はずっと独身で生きていくしかない」と諦めていた44歳。恋愛も結婚もうまくいかないのは、毒親育ち・メンタルのせい?
39歳の時に付き合った人とは思わぬ理由で破局
――その後に交際をした人はいましたか? 39歳から40歳になる頃までの1年間、交際していた人がいました。その人は、私に恋人がいないのを不憫に思った年配の女性からの紹介です。いわゆるお見合いみたいな感じですね。結婚前提でお付き合いを始めたのですが、結局1年ほどでお別れしました。 ――別れた理由はなんだったんですか? 生活の時間帯が合わなかったことですかね。その彼は警備員の仕事をしていて、夜勤があったり、休日も不規則でした。 一緒に夕飯を食べるぐらいしかデートらしいこともできないし、それでだんだんすれ違ってしまって。 ――それできよさんの方から別れを告げたと。 はい。……でも実は、時間のすれ違い以外にもう一つ大きな理由がありました。
子供が欲しかったきよさんと、それに応えられない元彼
――大きな理由というのは? その時はまだ私も39歳とか40歳だったので、子供が欲しいという願望が残っていたんです。今だと子どもを産むにはその年齢はすでに遅いかもしれないとわかるのですが、その時はそんなに知識もなく、まだ大丈夫だと思っていたんですよね。 そして当時お付き合いしていた彼は、「できない体質」だったんです。EDというんですかね。 ――なるほど。 仕事の忙しさや不規則な生活も理由かもしれません。それが原因で交際中に1度別れたこともありますが、「やっぱりやり直してみよう」と復縁もしました。でも結局うまくいきませんでしたね。 ――現在は不妊治療の一環として、そういったカップルでも相談できる手段があると思いますが。 そうですよね。でもそこにはなかなか踏み込めなくて。というか、彼とそれについて向き合って話をすることすらできなかったんです。お互い、性に関する話はタブー、という雰囲気になってしまって。 ――たしかに現実はそういうカップル多いですよね。 その彼は、「女性には性欲がない」と思っている人で、私が悩んでいることに全然気づいてくれなかったんです。性行為ができないことに対して、男性側が悩むことはあっても、女性にとっては大した問題ではない、と思っていたようで。 そういうことを聞くと、なおさら「したい」と言えなくなってしまいましたね。「子供が欲しい」という会話ももちろんできませんでした。 ――確かにそれは深い問題です。 2人の間に精神的な関係を築けなかったのが理由だと思います。結局、お互い核心に触れることなく別れてしまいました。別れた後は、周囲に破局原因を聞かれても正直に答えられないし。それもつらかったですね。 自身のつらい過去による病気を抱えながら、恋愛もうまくいかないきよさんは、40歳にしてフリーになってしまいます。後編では、「自分は一生独身で生きていくんだ」と諦めていたきよさんに訪れた、救世主の話から始まります! つづき【後編】では、その後、親友の紹介にも気乗りしなかった彼女が、あるキッカケでオトナ婚に行きついた経緯とは?…についてお届けします。
編集者・ライター ミナト薫