【更年期、私の場合/読者編⑥】真紀子さん(57歳・教育関連)の場合。強い痛みと冷え、そしてネガティブ思考に悩まされ…。始めたのは体力作り。
コロナ禍には、メンタルもどんどんネガティブに…
コロナ禍のストレスも重なったのか、生まれて初めて「仕事に行きたくない。このままずっと寝ていたい」と思うことが増え、そんな自分に焦りを感じたという。 「もともとマルチタスクが得意で疲れ知らずだったのに、『気が滅入る』という言葉がぴったりの日々でした。疲れ果てて床に倒れ込んだまま腕ひとつ動かせなくなってしまい、息子に起こしてもらうことも度々ありました。元気を取り戻せなくなるんじゃないか、もっと悪くなって起き上がれなくなるんじゃないか、収入が途絶えてしまうかもしれない…とどんどんネガティブ思考になって追い込まれる感じがしんどかったですね」 病院を受診し、整体にも毎月通い、「この不調が悪い病気ではないことはわかっていた」という真紀子さんは、運動をして筋肉をつけることを決意。 「48歳で離婚したときに精神的なストレスから食べられなくなって10kgほど痩せてしまい、体力や筋力が落ちていたことも原因ではないかと思ったので、とにかく何でもいいから体を動かして筋肉を取り戻そうと決めました」
自転車と出会い、体調も好転。今では80㎞走ることも
早速、自宅でYouTubeを見ながらヨガや筋トレをスタート。2年近く継続するも痛みは改善されず、筋肉がついた実感もなし。そんなとき、心ときめく出会いが訪れた。 「自転車が壊れたので買い替えようと立ち寄った自転車店に、クロスバイクがあったんです。すごく素敵で、乗れるかどうか考える前に購入していました。最初は全然走れなかったけれど、徐々に距離を伸ばして往復60km走ったときはさすがに疲れて寝込みましたが(笑)、1年後に『ロードバイクならもっと遠くへ行けるかも』と思ったのでロードバイクを購入しました。休日は40~80kmぐらい走っています。走ることに意識がいく分、何も考えずにいられるし、走っているときの風が最高に気持ちいいんです」 自転車をより楽しむためのツールとして始めたInstagramで、もうひとつの出会いに恵まれた。 「Instagramで知ったヨガの先生のオンラインレッスンに参加して、楽しみながらコツコツ参加していたら、体がどんどん変わっていったんです。そして、ヨガの先生に痛みのことや自分の話を聞いてもらううちに、初めて自分の胸の内を話すことができたんです。振り返ってみると、仕事では責任者として相手の話を聞くことが多くて、どんなにつらくても自分の話を聞いてもらえる場がなかったんですよね。それに今まで『できるか、できないか』ばかり考えてきたので、先生に『自分がやりたいか、やりたくないかを考えてみて』と言われてハッとしたし、心がすごく楽になりましたね」 レッスンに参加して1年ほどたった2023年には、うれしい実感もあった。 「気がついたら痛みがほとんどなくなってきて、“不調を卒業したかも…”と思えました。痛みがゼロになったわけではないけれど、正しく動かせば体は変わると自信がついたし、少しずつでも続けていればきっと大丈夫。そう思えるようになりました」
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