国策・中韓に日本奮闘…技能五輪国際大会、愛知大会に残した課題
磨いた技術商品に反映 「世界レベル」、開発の原動力
今大会には、69カ国・地域から過去最多となる1360人の選手が参加した。日本選手団は全59職種のうち47職種・55人が出場し、技能を競った。デンソーからは7職種・11人が、トヨタからは7職種8人が出場するなど2社で約3分の1を占める。 街の至るところに広告が設置され人々が足を止める様子も見られた(リヨン中心部) 中でもトヨタは1962年の国際大会初出場以降、技能五輪に並々ならぬ思いをかける。トヨタの松山副本部長は「技能を磨くことが技術を高めるというトヨタの哲学そのもの。日本を背負っていくという気概はこれからも変わることはない」と語る。トヨタ技能者養成所の深津敏昭所長は「国際大会に出る選手の技能レベルは高く、金か銀かは紙一重の世界だ」と話す。 国際大会は多くの来場者が参加し、選手にも緊張が見られるなど平常心で競技には臨みにくい。深津所長は「トヨタのゴールはメダルの色よりも技能がどのように車に生かされるか。磨いた技能を世のため商品のためにいかに発揮していくかが大切だ」と語る。 国際大会で世界レベルを目の当たりにした選手が、現場に技術や技能を持ち帰り新たなものを生み出すことにこそ大会の意義があると言えそうだ。