日本で急拡大する「リテールメディア」 イオンネクストと楽天の事例から学ぶ、その特長と課題とは?
イオンネクストの「Green Beans」。リテールメディアのロードマップを3年計画で策定
続いて、杉原氏は各社のリテールメディアの取り組みについて聞いていった。まず、藤田氏がイオンネクストが運営する新ネットスーパー「Green Beans」を説明した。
┌────────── Green Beansは食品・非食品を合わせて、最大5万点の品揃えがあり、配送時間を1時間単位で指定できるという特徴があります。AIとロボットによる最先端の大型自動倉庫、倉庫出荷型のビジネスモデルを展開しています。配送は自社配送で、最後のラストワンマイル、接客までも全て自社で一貫して行っています。 (広告出稿する)サプライヤーと一緒に、お買い物体験と商品体験を最大化することがリテールメディアの役割だと思って取り組んでいます(藤田氏) └──────────
リテールメディアの成長のロードマップを3年計画で策定し、現在は2年目の「Introduction」にあるという。2023年は「Learning」と位置づけ、サプライヤーと一緒にサービスの検証や、課題の洗い出しを行っていたという。
楽天が展開するリテールメディア。リアル店舗と連携したオフラインのマーケティングを展開
続いて、楽天グループの春山氏が、楽天エコシステムの広がりについて説明した。楽天グループは楽天ポイントを軸とした楽天エコシステムを構築している。楽天市場に加えて銀行や、証券など70以上のサービスを展開しており、楽天会員数は1億以上になるという。
サードパーティCookieの問題に直面する中、自社の持つ購買情報や楽天IDを中心としたマーケティングを積極的に進めていくという。では、リテールメディアとしてはどのように進化しているのか。春山氏は次の図を示し、説明した。
┌────────── 最初は楽天市場の売り場をメディア化して、検索広告やディスプレイ広告を始めました。その後、データを活用しながら、楽天市場以外のSNSやGoogleなど外部メディアへの広告配信、さらにスーパーやコンビニなどリアルの売り場と連携したオフラインのマーケティングへとサービスをどんどん展開しています。今は上記の図で4.0のところまできています(春山氏) └──────────