中学受験直前期、「過去問」をやみくもに解くはNG! 受験のプロに聞く“効果的な使い方”とは?
志望校への合格のカギを握るのは何といっても過去問対策! やみくもに解くのでなく、戦略を確認することがポイントです。過去問の分析と対策について、プロ家庭教師のきょうこ先生こと安浪京子先生に聞きました。子育て・教育情報誌「AERA with Kids2024年冬号」(朝日新聞出版)から紹介します。 【マンガ】中学受験「全落ち」した子はかわいそう? 大人の“勝手な思い込み”に気づかされた、子ども同士の会話とは(全35ページ) ■過去問を使って志望校の出題傾向や特徴をチェック 直前期は、過去問も大詰めとなってくるころ。ただし、過去問はやみくもに解けばいい、というものではありません。 例えば、志望校で毎年「星座」が出るのに、星座が苦手で点数を落とす……という状態ならば過去問はいったんストップ。まずは星座の強化です。 つまり、過去問を使ってそれぞれの学校の出題傾向や特徴を知ることがとても大切なのです。 なかでも、分野と単元によって内容が大きく異なる「算数」と「理科」は、頻出分野の分析と対策が大きな鍵を握ります。塾で頻出分野対策をしてもらえるのは学校名のついた特訓授業だけ。それ以外の学校を受験する場合は、分析をしましょう。これからの時期、入試で出題されない分野は勉強する必要はありません。頻出分野はお宝分野。ぜひ対策を強化して、点数を取りこぼさないよう仕上げていきましょう。 ■国語の文章量は学校によって大きく異なる また、見落としがちなのが国語。制限時間50分という学校が一般的ですが、実際の入試問題の文章量は学校によって大きく異なります。つまり、求められる読解スピードが変わってくるのです。過去問を採点して、A校は取れるのにB校は取れない……という場合、問題の難度も影響しますが、文字量とスピードも分析しましょう。 記述問題の有無も道の分かれるところです。記述が苦手なのに第一志望校は記述が多い……ならば、記述力を磨くしかありませんが、志望順位の低い学校で記述がある場合、その対策にあまり時間をかけたくないもの。合格するか否かは過去問との相性もあるので、その場合は志望校の変更も視野に入れていきます。
算数、理科、社会で全分野から広く浅く出題されるという場合は、「基礎固め」です。算数の一行題、理科や社会の暗記チェックなどは、計算や漢字とともに毎日取り組むルーティンとして取り入れるのがオススメです。 (取材・文/玉居子泰子) 〇安浪京子/算数教育家・中学受験専門カウンセラー。具体的でわかりやすい指導法や親子の立場に寄り添ったメンタルサポートが人気。著書に『親がやるべき受験サポート』(共著、朝日新聞出版)ほか多数。最新刊は『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。
安浪京子