関西は競争緩い?関東最強オーケーストアが「関西進出」で無双する可能性大の理由
【図解】関西エリアでも「成功する確率」が高い理由
ただ現時点でも言えることは、オーケーの食品スーパーとしての戦力をデータ比較すると、関西のスーパーとの比較云々というレベルの話ではなく、業界最強のスーパーの1つであることは間違いない、ということだろう。 図表1は、上場スーパーおよび財務データが開示されている食品スーパーをさまざまな競争力に関わる指標ごとに上位3社を抽出してみたものだ。 ご覧になれば、オーケーがほとんどの競争要因において、業界トップであることが一目瞭然なのである。それも国内最強プレイヤーが覇を競う関東エリアにおいて、このデータを叩き出しているということは、国内最強レベルにあることを表している。 つまり個店の各論は別にして、オーケーが、現在攻略している首都圏エリアと、最も似ている大都市市場である関西エリアでも、一定の成果を出す確率は極めて高いことだけは誰が見てもわかるということだ。
関東より競争緩い?「関西進出企業」が増える3つの理由
直近だと、オーケーだけでなく、ロピア(神奈川)、バロー(岐阜)などが関西進出を決めている。このように食品スーパーの関西進出が増える中、「なぜ今、関西に他のエリアからの進出が相次ぐのか」という質問を、関西マスコミの方々から受けることが多かった。ざっくり、その要因として考えられるのが、下記の3つのポイントだ。 ■食品スーパーの関西進出が増える理由 (1)人口減少が急激に進む地方より大都市圏に出たいから (2)首都圏、中京圏でも寡占化が進み始めたから (3)関西圏は比較的競争が緩いから (1)(2)は納得いただけるかもしれないとして、(3)に関しては、「価格にシビアなイメージのある関西エリアの競争が緩いとはどういうことか」と思われるかもしれない。しかし、食品スーパーの競争に関して言えば、実際にそれほど競争が激しいわけではないのだ。 それは、関西の主要プレイヤーと、関東の主要プレイヤーを並べて見ればすぐにわかる(図表2、3)。 関西の主要プレイヤーと言えば、H2O、万代、ライフ、イオン、平和堂などが挙げられる。しかし、これら企業を除けば、ほぼ売上1,000億円以下の地場スーパーが多数を占めるという構成になる。 一方、関東を見ていただければわかるが、イオン、オーケー、ヤオコー、ロピア、ライフ、ベルク、サミット、ベイシア…となり、業界屈指の有力企業が勢揃いして、激しい競争を繰り広げている。 この層の厚さは単に人口規模の違いだけではなく、関東が“特殊な2層の立地構造”になっていることが大きく関係している。この点について、もう少し詳しく説明していこう。