関西は競争緩い?関東最強オーケーストアが「関西進出」で無双する可能性大の理由
【図解】戦う環境が全然違う…?関東と関西を比較
久しぶりに東大阪をウロウロして改めて思ったのは「想像以上に関西の平地は狭い」ということである。大阪平野は、阪神間と和泉、河内西部あたりに広がっているのだが、関東で暮らしている者からすれば、かなり山が近いのだ。 東大阪市内を東に向かって一般道で走ると、2~30分ほどで生駒山地の麓となり、そこから金剛山地、和泉産地へと南に連なっているため、府内の平地は限られている。阪神間にしてもすぐに六甲山塊が西から迫っているため、ここも広い平坦地はない。 関東平野の広さに比べて大阪平野は、面積的には1/6ぐらいしかないらしいのだが、首都圏の半分ぐらいの人口が密集して住んでいる(図表4)。 一方、関東平野はどうかと言えば、国道16号線という環状道路があるが、その内側と外側とに大別され、内側のエリアに公共交通で暮らすざっくり1800万人が密集居住し、その外側には郊外にクルマで暮らす、ざっくり1800万人が広がって住んでいるというイメージだ。 大くくりに言うと、関西には、関東で言うところの内側人口密集地のみで出来ていて、関東の16号線の外側のような後背地がない。ということは、関西には、ロードサイドで干戈(かんか)を交えつつ成長を続けるヤオコー、ベルク、マミーマート(埼玉御三家)やベイシアのようなプレイヤーも存在しないということでもある。 関東人口密集地では、ロードサイドに強いプレイヤーの内側への拡張に対抗しながら、その内側に拠点を構えるイオン、ライフ、サミットという大資本系列、オーケー、ロピアの新興ディスカウントスーパーが対峙する構図があるが、幸か不幸か関西のプレイヤーにはそうした多様性は乏しい。 また関西は、公共交通が発達した古くからの人口密集地が主戦場であるため、顧客の足が短く、比較的小さい商圏での競争を前提とした店舗フォーマットになっている(駅前、もしくはバス、自転車、歩きで行ける範囲内で買い物をする、ということ。大阪のおばちゃんと聞くと、自転車に乗っているイメージがあると思うが、その感じを想像して欲しい)。 一方、かなり広めの商圏から集客するオーケー、ロピアといった新興ディスカウント勢は、クルマを保有する世帯単価の高いファミリー層を奪っていく。関西地場スーパーには近所のおばちゃんは一定数、固定客として残ってもらえるだろうが、ファミリー層を広域から奪うことになるオーケーのような存在は、かなり広い範囲で既存のスーパーに影響を及ぼすことになるだろう。