資産効果がインド経済を底上げ、高値更新の株式市場では「ハイクオリティ」を選別=UTIインターナショナルCEOに聞く
インドで6月に行われた総選挙でモディ首相が3期目の政権を担うことが決まってから、インドの株式市場は史上最高値を更新し続けている。「SBI UTIインドファンド」や「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」の実質的な運用者であるインド最古の投信会社UTIグループ傘下のUTIインターナショナルCEOのプラピーン・ジャグワニ(Praveen Jagwani)氏(写真)に総選挙後のインドの状況と、今後のインド経済、インド株式市場の展望について聞いた。
――インドの総選挙が終わり、与党連合が勝利したことによって、モディ首相は3期目をスタートさせました。ただ、選挙の結果、モディ氏が率いるインド人民党(BJP)は議席数を大幅に減らし、単独過半数割れになりました。国民はモディ政権に不満をもっているのでしょうか?
インドの国民は民主主義について、しっかりした考えを持っています。今回の選挙結果は、1人の人物が長期にわたって政権を担い続けることに一定の懸念を表したのだと思います。選挙の結果、野党が強い力を持つようになったので、政策へのチェック・アンド・バランスが働くようになったと考えています。
――選挙の結果を受けて、モディ政権の政策運営に変化はありますか?
選挙の結果として、開発、教育、インフラ整備、貿易などの政策を担う大臣を含め、主要閣僚に変更はありませんでした。したがって、従来の政策に変化はないものと考えてよいと思います。
――選挙前には株価が一時的に下落するようなこともありましたが、選挙後、インド株指数(Nifty50、SENSEX)は上昇しています。株価の上昇は何を評価しているのでしょうか?
株式市場については、インドの国内投資家と海外投資家の動向を分けて考える方が分かりやすいと思います。選挙の前後において、インド国内の投資家はインド株を買い続けていました。国内投資家の姿勢に変わりありませんでしたが、海外投資家の動きには変化がありました。