柳井社長が語るファストリの現在と未来 2人の息子の役割や対「シーイン」にも言及
私たちは日本で生まれた企業です。グローバル企業でありつつも、日本文化に根差したユニークさを大切にしています。常に品質を追求し、無駄を省いてものを大切にする心。個性を尊重しつつもチームや組織全体の利益を追求する姿勢。日本の文化や仕事のやり方の良い点を企業経営に生かし、世界に広く発信してより多くの人に理解してほしいと考えています。
以前の決算説明会でもお話したことがありますが、日々の株価に一喜一憂するのではなく、常に業績に対して責任を持って経営する。そういう考え方でこれまで経営してきました。今年は当社にとって株式上場30周年であります。これまで常に長期的な視野に立ち、継続的にその責任を果たしてきたので現在の株価があるものと考えています。今後も変わることなく、自社の長期的な価値を高める企業活動を行ってまいります。
企業は長期にわたって事業を継続し、社会の利益に貢献し続ける、Going Concern(ゴーイングコンサーン)が最も重要です。40周年を超えて、50周年、60 周年、100周年と同じように成長を続けられる企業にするべく努力を続けます。
【メディア&アナリストからの
質疑応答】
ーー欧州と北米について、ブランド力もブランド認知も上がってきて、売れる商材もブラトップに代表されるように広がりが見える中で、2年後の目標の欧州で5000億円、北米で3000億円などがかなり射程に入っていると思う。それぞれの国で例えば1兆円を達成するには、今の人材投資などをしながら、もう見えている感触があるのか、それとも野望はもっと高いぞとか、そこに持っていくために今何が必要なのか?
柳井:私個人としては、欧州はかなり確証があるんじゃないか、北米はかなり民族性も違い価値観も違う中でいかがなものかなと思っている。できたらやっぱり欧州でナンバーワン、北米のナンバーワンになりたいっていう風に思います。やっぱり真のグローバルブランドになるというのは、主だった市場でナンバーワンにならない限り、真のグローバルブランドになり得ないと思ってます。それと、見えているかどうかはわかりませんが、感触はあります。それが本物かどうか。今いる人材とこれから先入ってくる人材、とくにニューヨークやパリ、ロンドン、こういうところは人材の宝庫なんで、素晴らしい人材を、我々と一緒の考え方で一緒に成長していける、そういう企業を作ることが大事なんじゃないかなっていう風に考えてます。