石浦宏明(No.38 KeePer CERUMO GR Supra)「予選では、水煙で前が見えなくても全力でずっとプッシュし続けた」 | SUPER GT 2024 第8戦 モビリティリゾートもてぎ【SUPER GTあの瞬間】
── レース序盤は、ライバルの手の内を探りながら……という展開でしたが、そのファーストスティントを石浦選手が担当することはいつ決まったのですか? またスタート自体はどんな感じでしたか?
石浦:今シーズン、チームメイトも、エンジニアも、そして監督も変わって……という環境のなか、シーズン前半は“セルモのスタイル”というものがまだ確立しておらず、いろいろ“お試し”を続けてきたんです。シーズン中盤から後半になって、だんだんスタイルが固まってきて、今回のレースでも土曜の夜のミーティングの時点で、エンジニアと監督から、『(ポールポジションからスタートを担当した第6戦)SUGOのときもいい感じだったし、“石浦スタートパターン”で行こうと思うからよろしく』と言われたんです。以前はあまりスタートを担当してなかったので、監督も若干大丈夫か? みたいな顔をしていたんですけど(笑)、信用してもらっていること自体うれしかったですし、しっかりとその仕事をうまくやらなければな、と。また、エンジニアは、僕に対して決勝当日に(担当を)伝えるのではなく、土曜日の段階で『スタート(担当)だよ』と伝えてくれることで、僕に準備をする時間をくれた感じもありました。夜、ホテルに戻ってからは、いろいろスタートドライバーの“イメトレ”ができる時間があったし、いろんなことを考えながらスタートを迎えてました。周りのクルマのタイヤの温まりの状況など、ある程度は想像がついてたのでイメージしながらスタートしました。とりあえずスタートは無難にいきましたけど、そのあとの1周目から2周目、3周目あたりのペースは結構いいなという感じで前4台が抜けて出して、うしろは離れていくという状況だったので、スタート直後としては、展開として作りやすかったという感じでした。
── 早速、序盤の16周、17周目と立て続けに90度コーナーで(ポジションアップを決める)“石浦ショー”を披露。狙いを定めての逆転だったのでしょうか?