「行き渋り」「不登校」昨年、子どもの行き渋りで悩んでいた2名に、その後を聞いてみました
何に悩んで、どの居場所を選んだ?を継続取材 「行き渋り」「不登校」その後の選択
子どもの学校への“行き渋り”と“不登校”は増加傾向に。特に夏休み明けは、悩む親子が多いといわれています。大反響だった昨年10月号に引き続き、今回は行き渋りや不登校になってからの親のサポート、学校以外の居場所探しなどを中心に取材。経験者の葛藤やリアルな選択は、いざというときに参考になるはず。
【Afterwards】中1で不登校になり昼夜逆転生活に。本音を話し合い、中3からは学校に復帰
お話を伺ったのは…LEEメンバー すぴかさん(三女 現在中学3年生) 高校生と中学生の3姉妹の母。小学校には行っていた末っ子の三女が、中1の終わりから中2まで不登校に。現在はまた学校に通っている。 LEE2023年10月号より。友達とのトラブルや家族への不信感などがあり、中1から不登校に。前回は、親子で話し合いをしている最中だと話してくれました。
姉たちのように前向きにと無理をさせてしまっていた
すぴかさんの娘さんは中1の終わりから不登校になり、その後は親子ともに苦しい時期が。 「学校に行かなくなって驚きましたが、家族で話し合って、休みたいときはしっかり休ませようと見守ることに。とはいえ、娘は昼夜逆転の生活であまり眠れないようだし、ごはんをほとんど食べずに青汁ばかり飲んでいた時期も。不機嫌そうに部屋から出てきて、飲み物だけ取ってまた部屋にこもる様子を見ていると、心配だけどイライラが募って。この時期は本当にしんどかったです」 カウンセリングや通院など、できる対策は早めに検討したそう。 「学校からスクールカウンセラーの案内があったのを思い出し、すぐに連絡。娘というより私がどうしたらいいかわからず、いろいろと相談しました。先生に『本当につらいときは何か言ってくるはずだから、本人が部屋から出てくるまで声をかける回数を減らしてみて』と言われて。先生の助言のおかげで、つい口うるさく言いたくなる気持ちを抑えられたのは、娘にとってよかったのかもしれません。また、児童精神科にも通院し、そこで娘に合った睡眠薬を処方してもらうと眠れるように。それからは状況がみるみるよくなりました」 体調がよくなると、娘さんが本音を話してくれるように。 「友達同士のけんかを仲裁しようとして自分が傷ついたことや、姉たちのように明るくなりたくて頑張ったけどつらかったなど、ポツポツとですが話し始めました。母である私も姉たちもポジティブで社交的な性格で、それを三女にも押しつけてしまっていたんだなと気づいて。あるとき、本当に久々に三女と一緒におやつを食べる時間が取れたときに、『前向きにって言いすぎてごめんね。しんどかったよね』と言うと、私も娘も涙があふれてきて、お互いの本音を打ち明けることができました」 中3になってからはまた学校に通い出し、修学旅行にも参加。 「学校のサポートが手厚かったことと、本人が高校に行きたいと言い出したことで、受験を考え再び学校に通い始めました。授業もテストも受けていないので仕方ないのですが、中2の通知表はオール1。見たときはショックでしたが、ここから本人が頑張って高校に入れれば自信になるんじゃないかなと思います。親としては、元気に食べて寝て、学校に通ってくれるだけで十分だなと。さらに、外で危ない目にあったりするよりは、SOSを出してくれたのが家であり親であったことは、かえってよかったなと今は思っています」 「体調がよくなってからの娘は、家事の手伝いを。家事で稼いだお小遣いでギターを購入して弾いていました。見ると、当時を思い出します」(すぴかさん)