阪神の掛布2軍監督がコリジョンルールを巡って初の抗議!
阪神の掛布雅之2軍監督(60)が13日、鳴尾浜で行われたウエスタンリーグのソフトバンク戦で監督就任以来初の抗議を行った。元ミスタータイガースが、静かにベンチを出た場面は5-3で迎えた8回二死一、二塁。俊介(28)のレフト前に運ぶヒットで二塁走者の緒方凌介(25)が本塁を狙ったが、内野手から中継されたバックホームとクロスプレーとなり、手から滑り込んだ緒方にはアウトのジャッジが下された。 掛布2軍監督が、ソフトバンクの拓也(23)のプレーがコリジョンルールに抵触しているのではないか、と、“確認”するためにベンチをゆっくりと出ると、審判団はそれを制してマウンド上で4人で協議。アウトのジャッジを変えない決定を下すと、掛布2軍監督は、身振り手振りをまじえて熱い抗議を行った。 「明らかにキャッチャーの左足が走路にかかっていた。ベースの前に両足を置いてのタッチではなかった。ブロックだよね。1、2軍でコリジョンルールの見解が統一されていない。曖昧すぎるのではないか」 それでも審判団は、「タイミングはアウトですから」の一点ばりで、掛布2軍監督の抗議をはねのけた。またファームではビデオ判定の用意がないため、「もしブロックしていたなら警告を出していく」と、審判側は伝えたという。掛布2軍監督は、いくつかの例を出して審判団の基準を確認したが、「それは、そういうことが起きたときに場面、場面で判断していきます」という答えだったともいう。 審判団への抗議は、約5分間に及んだ。 「抗議というより確認作業だよね。コリジョンルールに対応するスライディング技術は、下でもしっかりと身につけておかないと1軍に上がったときに戸惑うことになる。だから、審判団の見解を確認しておきたかったんだ。うちでは、周り込むよりも、真っ直ぐホームの端を狙って滑った方が明らかに早いので、それをゲームの中で試している最中。試合前には、審判団にも、うちはそういう方針でやっていくという話もしておいたんだけどね。明らかに走路に足を出してブロックをしているのに、それがコリジョンルールに抵触しないのならば、必要な技術が違ってくる。ファームではビデオ判定ができないだけに、なおさらそのあたりの基準をしっかりと統一してみてくれないと困る。1軍でもそうかもしれないが、2軍ではなおさらまだ審判団の見解が曖昧で整理しきれていない印象を持った」 掛布2軍監督は、現役時代に、ストライク、ボールの判定に一切、抗議や嫌な顔ひとつしないことで有名だった。指導者の立場になった今、「ケースバイケース。2軍といえどもチームの士気はあるからね。でも野球は機械じゃなく、人間がジャッジしているものだからミスはある。できるならしたくはないんだよな」とのスタンスだという。 試合は9回にドリスが同点本塁打を浴びたが、掛布2軍監督の抗議がチームの執念に火をつけたのか、延長10回に一死満塁から巽真悟(29)のワイルドピッチを誘って6-5でサヨナラ勝利をつかんだ。開幕3連敗でスタートした阪神の掛布2軍は、ついに貯金を「1」とした。