「いい加減にしてくれ、そんなに中学受験が大事か?」…子どもの受験にのめりこむ毒親の「静かなる狂気」
特別でなくていい。普通の幸せを手にしてほしい――。 親ならば誰しも我が子に願うことではないだろうか。 【マンガ】それは本当に子供のため…?中学受験で「悪意なき毒親」が生まれる理由 しろやぎ秋吾さんの話題作『すべては子どものためだと思ってた』(KADOKAWA)に登場する専業主婦の土井くるみも、そんなささやかな願いを抱きながら子育てに向き合う親のひとりだ。 ある日、地元の公立中学の評判が悪いことを知った彼女は、小学4年生に上がったタイミングで息子・こうたに中学受験をさせることを決意する。 しかし、この選択が“親子の地獄”の始まりだった。 「我が子の幸せのため」というくるみの親心は、次第に狂気へと変わり、こうたを追い詰めていく。 本記事では、子どもの幸せに対する母親の執念を紹介する。 前回記事〈「私がこの子を幸せにしてみせる」…子どもの中学受験で《悪意なき毒親》が誕生してしまう「切なすぎる真実」〉より続く。
「私は間違ってなかった」
小学5年生になったこうたは、中学受験に臨むため相変わらず勉強に励んでいた。唯一の息抜きは、4年生のときから通っている空手教室だ。仲の良い友人と過ごせるこの時間は、こうたにとっても欠かせない。 ただ、空手の時間が終わればまたすぐに勉強だ。 「今日もみんなは集まってゲームするんだって」 塾のクラス分けテストを控えていたが、どうにもやる気が出ないこうた。そこでくるみが条件を出した。 「もし次のテストでBクラスに入れたら、空手教室の夏のバーベキューに参加してもいいよ」 「ほんと!?」 こうして俄然やる気になったこうたは、後日実施されたクラス分けテストで見事にBクラス入りを果たす。 そんなこうたの成長を間近で感じたくるみは、中学受験を選択したことに自信を深めていた。 ――こうたに受験なんてできるのかって初めは不安だった。小学生なのに勉強漬けの毎日。そんな生活間違っているんじゃないかって……。だけど、あの嬉しそうなこうたの表情を見たらわかる。私は間違っていなかった。こうたはできる。もっと上に行ける。
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