これからの格差社会、子どもの「食いっぱぐれない人生」のために、12歳までに教えるべき「もっとも重要なこと」
変化が目まぐるしく、未来の予測が困難で、正解の見えない時代に子育てする親世代は、いい学校に入っていい会社に入ってというこれまでの「正解」があてはまらず、将来を見据えた子どもの教育に頭を悩ませることも多いだろう。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動した一言 『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』の筆者、富永雄輔氏はこれに「私が経営している塾の子どもたちを見ていると、幼いなりに彼らは「変わりゆく世界」にしっかりついて行っています。特別な説明を受けるまでもなく、彼らにとって世の中はどんどん変化するのが当たり前であって、確実なものなどありません」と話す。 不確実な現代で子育てをするなか、これからの時代を生き抜く我が子にとって、今必要な学びとはなにか。そのヒントとなる考え方を前編記事「これから、ますますヤバくなる…「親世代の価値観」を押し付けられた子どもに受ける「残酷な未来」」に引きつづきお届けする。
子どもの武器を見極める
なんらかの職業を考えたときに、そこで我が子がどんなゴールを目指し、そのためにどんな武器を持ち得るのかを探ってみましょう。個性的な武器を持たずに漫然と戦っていれば、淘汰されてしまうのがAI時代です。 たとえば、同じようにサッカー選手を目指すとしても、一人ひとりゴール設定は違います。まず言えるのは、サッカーのみで一生、生計を立てていけるのは、日本代表になるくらいの実力がある選手だけだということです。 その日本代表選手でも、それぞれ個性があります。足がすごく速くても体が小さい選手、足は遅いけれど足技に優れた選手、全体を見渡して動くのが上手な選手……そうした特性に応じて、チームから必要とされているわけです。 こうした特性は、おそらく子ども時代からその芽があり、それを見極めて伸ばしてあげる大人がそばにいたから伸びたはずです。そこにこそ、大人の価値がある。 さらには、そういう選手であっても、ずっと現役でいられるわけではありません。 そこで、コーチになるなど一生サッカーに関わって食べていくことをゴールに設定している人もいます。 あるいは、企業のCMに出たりして収入アップを目指す人もいます。そのお金で、引退後になにかビジネスを始めるというのも一つのゴール設定です。 一方で、日本代表になどなれそうにないというなら、好きなサッカーをやりつつもほかにお金を手に入れる方法を持たねばなりません。SNSを活用して広告収入を得たり、あいは、まったく違う仕事との二足のわらじを履いたりする必要も出てくるでしょう。 J3というカテゴリーでプレーしながら、ユーチューバーとして活動している選手を見ると、いい選択をしているなと思います。 このように、一時期は同時にグラウンドに立っている選手たちであっても、一人ひとりのゴール設定は、その能力や個性によって変わってきます。そのゴール設定を、今まで以上に早く行わなければいけない時代になっているのです。 得意分野に特化することで、我が子が食べていけるようにするのか。それだけでは難しいから、バランス型の人間として育てていくのか。そのためには、どんな武器を身につけさせればいいのか。 自分の時代の価値観から離れ、広い視野で検討してください。 …つづく、「日本経済が「韓国に負けた」本当の理由…「平和ボケした日本」親世代だけが知らない「教育格差」がたどる末路」では、めまぐるしい時代の変化に子どもの将来を育む「最適な教育法」を明かします。
富永 雄輔(進学塾VAMOS代表)