"つまずき"は「3つの老化」から!?特に中高年は転倒に注意!寝たきりや認知症に繋がることも…医学博士が勧める対策とは
つまずくと骨折や頭の強打が
つまずいた場合はどのような危険があるのでしょうか? 吉田「転んだ時に地面に手をついて最悪手首骨折することがありますが、それで命を落とすことはまずないです。転びそうになって、なんとか踏みとどまろうと不自然な姿勢で粘る人が結構危険です。 大腿部頸部骨折(足の付け根の部分の骨折)で、長期の入院とか寝たきりが必要になる場合があって、それで脳の老化が加速して、認知症になったり、誤嚥性肺炎で命を落とす人も多いです。 倒れた時に最も多いのは頭の強打です。血管が破れて頭の中に大きな血の塊ができる硬膜下血腫、硬膜外血腫というものになって命を落とす人も少なくないです」
倒れるときは前向きに
つまずいた時は、前に倒れる方がいいのでしょうか? 吉田先生「そうです。頭蓋骨は前より後ろが薄いです。後頭部を打つのが最も危険です。だから基本的に前に倒れた方がいいですが、中高年だと骨が弱くなっているので、普通に手をついただけで手首を骨折してしまいます。 対策は両手の手首を曲げずに、肘を曲げること。そうすると手のひらから肘まで全体で同時に地面につけられる。力が分散するので骨折を防げます」 後ろに倒れてしまったらどうしたらいいのでしょう? 吉田「その時は真っ先に思いっきり顎を引く。これ、大事です。背中を丸める。これだけで後頭部を強打するのはかなり防ぐことができます。 さらに膝を曲げ、お尻を後ろに突き出す。そうすると自動的に尻もちがつけます。ただ、前に倒れられる場合は、前を優先すべきです」
予防のための運動
つまずきを要望する運動を紹介する吉田先生。 吉田「つま先を上げる運動です。イスに座ってつま先を10回くらい上にあげる運動をやっていただきたいです。これを毎日やるとかなり効果があります。 家の中の段差をなくしたらいいんですが、意外に落とし穴になっているのが、カーペットやマットがめくれてつまずく人が多いです。あと、散らばった電気コードや配線でつまずくことが多いです。 夜中にトイレに行くことも増えますが、足元の照明が暗すぎることも多いので照明を明るくすることも検討してください」 さらに60代になると、もう一段リスクが高まると吉田先生。 吉田「だいたい10歳ごとにどんどん転びやすくなります。『今まで大丈夫だったから大丈夫』といった過信は禁物です」 老化はじわじわとくるのではなくて、ある時を境に一気にがくっとくるそうです。だから日頃の運動が大事になってきます。 (みず)