ウチの子の通学路、地震の時に大丈夫? ゴールデンウィークに親子で試したい3つの防災対策
子どもの通学路には、親が知らない世界が広がっています。特に、最短距離で学校に向かう登校ルートと異なり、下校ルートは遠回りして帰ってくるなど、親にとっての“想定外”で溢れているかもしれません。だからこそ、子どもの登下校中に地震などの災害が起こった場合のことを考え、今から備えておいてほしいと、国際災害レスキューナースの辻直美さんは語ります。どうやって子どもの下校ルートを知ればよいのか、その上でどのような防災対策ができるのか。ゴールデンウィーク中に親子で気軽に試せる、具体的な3つの方法を聞きました。(Yahoo!ニュースVoice)
子どもの登下校中の災害に備えよう
子どもの防災というと、学校内にいることを想定しての避難訓練を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、それ以外のシチュエーションでの訓練はされていないことがほとんどです。親や教師など頼れる大人がいつもそばにいるとは限りませんので、特に“登下校中”の災害には、手厚く備えておく必要があると考えています。 そこで今回は、「登下校中の子どもを守るための防災対策」を3つ紹介します。ゴールデンウィーク中に、ぜひ親子で一緒に試してみてください。
「通学路マップ」を作って危険な場所を話し合う
私には息子が2人いるのですが、行きは集団で登校しています。しかし帰りはバラバラで下校し、少人数の友達、もしくは一人きりで帰ってきます。本来は片道15分程度の道のりのはずが、1~2時間たっても帰ってこないこともありましたし、おまけに服をすごく汚してくることも……。その時に「なるほど、行きとは違うルートで帰ってきているのか」と察しました。そこに親の知らない世界があるんですね。では、どのように知っていけばいいのか。私が実際に行った方法を紹介します。 子どもが学校から帰ってきたら、使い捨てのカメラを渡して「登下校ルートの面白いもの・気になっているものを順番に撮影してきて」とお願いしてみてください。デジカメでも構いませんが、使い捨てカメラは撮れる枚数に制限があることが利点です。デジカメのように制限がない場合、役に立たない写真を大量に撮ってくる可能性があります。使い捨てカメラを渡して「決められた枚数しか撮れないから、ちゃんと考えてみてね」とお願いすることで、子どもなりに真剣に撮ってくるようになると思います。 撮ってきた写真は現像して、まず子どもと一緒に見ます。そして地図に貼るなどして、子どもがどんなルートで帰ってきているのかを想像してみてください。それから写真をシチュエーションごとにまとめ、「でもここ、夕方になると暗くない?」「この場所、雨降ったら滑ったりしない?」などと、子どもに質問をしてみてください。子どもがそれに対してどう考えるのか、どう思うのかも確認しつつ、徐々に「ここは危ない所だね」と伝えてあげてください。 ちなみに、私の息子が撮ってきた写真の中で特に危ないと思った所は、ブロック塀です。大きな地震があった場合、そこから離れて道の真ん中を歩くように説明しました。他にはフェンス、朽ちかけた古い電信柱、植木鉢などもありました。「地震で大きく揺れたら、この電信柱はどうなる?」と聞いてみると、子ども達はそこで初めて「あっ!これが倒れてきたら危ないね」という理解をしたようでした。 ポイントは、子どもが撮ってきた写真を決して否定しないことです。最初は上手に撮れなかったり、ふざけた写真ばかり撮ってくるかもしれません。または、親としてはできれば通ってほしくないルートの写真もあるかもしれません。しかし「これ面白いね!」「通ってみたくなるね!」と共感し、冒険のワクワクドキドキ感を一緒に感じてあげてください。その上で、本当に危険がある場所はきちんと説明する。一方的に説得するのではなく、納得させる。子どもがちゃんと腑に落ちるように手順を踏みつつ、親子で一緒に考えることが重要だと思います。