2024年のXmasケーキ、平均4561円 前年比3.4%値上げ イチゴなどの価格高騰が重荷
2024年冬シーズン「クリスマスケーキ」価格調査
全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、著名な洋菓子店など計100社で販売されるクリスマスケーキの価格(ホール型5号、4~6人向けサイズ)を調査した結果、2024年冬シーズンの平均価格は4561円(税抜)だった。同じ対象企業のケーキ価格を比較すると、1年前(23年冬、「昨シーズン」)の4412円に比べて149円、率にして3.4%の値上げとなった。 昨シーズンに比べて値上げ幅(328円・8.0%増)は縮小したものの、本格的な値上げラッシュが始まる前の21年冬シーズンに比べると約2割増・700円にせまる大幅な値上がりとなった。
前年から価格が上昇したケーキは57社で、過去3シーズンで最も少なかった。値上げしたケーキでは、値上げ幅が「200円台」以下のケーキが32社を占めたほか、「300円台」「400円台」の値上げは過去3シーズンで最も少なかった。また、「価格据え置き・値下げ」に踏み切ったケーキは43社となり、過去3シーズンで最多だった。ホール当たり3000円~4000円台前半の価格が多いスーパーなど量販店を中心に、値上げ幅を最小限に抑制したケーキが多かった。 一方で、著名なホテルやパティスリーが手掛けるケーキでは「500円以上」(12社)の値上げ幅も多く、クリスマスケーキの価格は高級ラインと低価格・普及価格帯の二極化がより進行した。
「ケーキ原価」は3年間で1割超の増加試算
2024年のクリスマスケーキは、昨シーズンに続き原材料価格の高騰による影響を大きく受けた。一般的なショートケーキ(ホール・18cm丸型)にかかる原材料コストについて、店頭価格を基準に帝国データバンクが「ケーキ原価」として算出した結果、2024年平均は1153円だった。23年通年の平均:1104円に比べて4.4%、21年同から13.5%上昇するなど、製造コストが大幅に増加した。 原材料として使用量の多い小麦粉のほか、鶏卵や砂糖などの価格が前年を上回る水準が続いたことが影響した。ケーキに欠かせない「イチゴ」は、11月時点の市場価格ベースで前年比10~20%前後値上がりし、クリスマスシーズンにかけてさらに価格が上昇するとみられる。また、ショコラケーキなどでは「チョコレート」の値上がりも影響した。食材以外にも、テイクアウト用の化粧箱や食品フィルムなど包装資材で大幅な値上げが続くほか、冷蔵庫などの電気・ガス代、店頭販売員などの人件費も上昇傾向が続き、ケーキ価格の押し上げ要因となっている。