AI、DXが業績押し上げ 情報サービス主要各社4~6月期、通期も8割が増収増益見込み
情報サービス各社の業績が好調だ。緩やかな景気回復を背景にIT投資が活発化し、特にデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が本格化している。主要19社の2025年3月期第1四半期(4~6月)連結決算は14社が増収増益、2社が増収減益、3社が減収減益だった。通期では15社が増収増益、4社が増収減益を見込む。今後も、生成AI(人工知能)関連需要の拡大など好材料がそろっている。 【関連写真】情報サービス主要各社の業績一覧 NTTデータグループの売上高は前年同期比971億円の増加だが、これには為替影響による増収効果が822億円含まれる。為替以外の増減では、日本セグメントは公共・社会基盤向け案件の規模が拡大したほか、金融、法人も増収となった。海外セグメントは、データセンター(DC)事業やSAP事業が順調に拡大した。 営業利益は前年同期並み。国内の公共・社会基盤、金融、法人など3分野の増収による増益があったものの、国内金融分野で前年度に利益率が高い案件が生じた反動や、海外での通信端末機器販売事業の減収などが減益要因となった。「通期業績予想に対しては予定通り進捗(しんちょく)」(同社)している。 野村総合研究所の売上収益(売上高)は全てのセグメントで増加した。営業利益は、国内事業の案件活況や運用サービスの増加により収益性が向上し、前年同期比20.8%増の大幅増益となった。コンサルティングは公共、民間ともDXを支援する案件が活況に推移。金融ITソリューションは銀行業向け開発、製品販売や運用サービスが好調であったほか、IT基盤サービスはセキュリティー事業が堅調だった。 TISは、顧客のDX需要をはじめとするIT投資ニーズ応え、売り上げが増加した。営業利益は、事業成長をけん引してきた大型案件のピークアウトの影響や不採算案件の影響で小幅ながら減益となった。 SCSKは、システム開発や堅調な保守運用・サービス、通信業向けネットワーク機器販売などの増加により増収。営業利益は、BPOビジネスのコロナ特需からの反動などもあり、ほぼ横ばいだった。 BIPROGYは企業の旺盛なDX投資などを背景に、アウトソーシングと製品販売を中心に増収となった。基幹システム刷新などの一過性コストを主因とする販管費および一般管理費の増加を、増収による増益分でカバーし営業利益は2桁の伸びを確保。 NECネッツエスアイは、働き方DX、自治体DX、次世代ネットワークセキュリティーなどの注力分野が好調。営業利益は、全セグメントで拡大し大幅増益だった。受注高、売上高、売上総利益が4~6月期として過去最高となった。 24年12月期第2四半期(1~6月)連結決算の大塚商会は、SI(システムインテグレーション)事業、サービス&サポート事業とも好調に推移し、中間期として売上高、各利益が過去最高となった。
電波新聞社 報道本部