仏料理の名店「トゥールダルジャン 東京」に隠された10の秘密
【06】 アンリ3世ご愛用のフォークもございます
これは1582年3月4日、当時の国王アンリ三世が鹿狩りの帰りに「トゥールダルジャン」に来店した時のこと。隣りのテーブルでフィレンツェから来た貴族が小さなとがった道具を使っているのを見た王は、「それは何だ?」とご下問。するとそれは、ヴェニスから届いたばかりの発明品とのこと。これがフランスの食文化史上初めてフォークというものが登場した場面でした。
【07】 ホストとゲストでは見ているメニューが異なります
「トゥールダルジャン 東京」ではメニューが2種類用意されています。ひとつは値段が記載されているもの。もうひとつは、値段が記載されていないもの。これは価格など気にせずに料理を選んでほしいというホストの気持ちに沿ったおもてなしであり、価格の記載のないものをゲスト側に渡すためです。かつてはカップルであれば女性に渡されるメニューに価格がないこともよくありましたが、現在は……色々せちがらく難しい世の中です。
【08】 ゲストの人数によって変わるのはキャンドルの数と……?
次にテーブルの上へ目を移してみましょう。「トゥールダルジャン 東京」では卓上でキャンドルを灯していますが、ゲストの人数によってその内容が変わります。2名のゲストなら2本、3名~のゲストなら3本、となるのですが、変わるのはその本数だけではありません。
人数によって変わるのは、その位置と高さも。たとえば2名ならキャンドルは対面するふたりのサイドに置かれるため、かなり高く調整されているのですが……。
3名以上の場合は、キャンドルはテーブルの中央に置かれるため、ゲストの視線を遮らないように低く設定されています。
常にゲストの立場で考える「トゥールダルジャン 東京」らしいエピソードです。
【09】 行きと帰りで向きを変える鴨がいるカモ?
同じく卓上にはこんなキュートな鴨のオブジェが置かれています。こちらは食事前にはゲスト側を向いているのですが、お帰りの際には出口の方を向いています。いつ向きを変えているのでしょうか? 気になるカモ……。
また。「トゥールダルジャン 東京」と言えばこのシルバーのカトラリーやショープレートが有名ですが、これらはすべてクリストフル製。銀器はメンテナンスが大変ですが、週に一度、スタッフ総出で磨いているのだそうです。