仏料理の名店「トゥールダルジャン 東京」に隠された10の秘密
【02】 日本庭園が見えない? 当初のプランは最上階
当初のプランでは「ホテルニューオータニ 東京」ガーデンタワーの最上階にオープンする予定だったそう。「トゥールダルジャン」オーナーのテライユ氏の「こんな美しい日本庭園が見えないのはもったいない」という鶴の一声により、現在のロビーフロアでの開業が決定しました。日本庭園が見えることで、レストランウエディングの草分けにもなった「トゥールダルジャン 東京」ですが、最上階にあったらまた違う展開だったかもしれません。
【03】 名物・鴨の料理を日本で最初に食べたのは昭和天皇⁉
「トゥールダルジャン」といえば鴨の料理が有名。さらに、その料理を食べると、鴨の一羽一羽ごとに通し番号が振られたカードがもらえることが有名なのですが、これはさかのぼれば19世紀末、当時の支配人フレデリック・デレールのアイデアだったとか。ちなみに、1921年6月21日。
当時、皇太子であった昭和天皇がパリ本店で召し上がった際の鴨番号は「53211」。「トゥールダルジャン 東京」ではこの番号に敬意を表して、この番号の次の番号、つまり「53212」からスタートさせています。
【04】 40年間のすべてを見聞きしている生き証人がいます
パリで医学を志していた青年、クリスチャン・ボラー氏はオーナーであるテライユ家とつながりがあったことから、ある日「レストランビジネスをやってみないか」とオファーを受け、ふと興味がわいたことから来日。以来40年、総支配人として今も「トゥールダルジャン 東京」のすべてを取り仕切っています。いつも颯爽と若々しく、「トゥールダルジャン」の美学を貫く姿はまさにプロフェッショナル。
【05】 カレーライスを食べる際、スプーンを使ってはいけません
主にフランス料理の高級レストランで給仕するスタッフを“メートル”と呼びますが、「トゥールダルジャン 東京」では、彼らにも厳粛なしきたりやルールが徹底されています。
例えば、メートルたちは腕時計の着用禁止。理由は、お客さまの前で時間を気にするしぐさがエレガントではないことと、高価なクリスタルのグラスやシルバーのテーブルウェアを傷つけてしまうかもしれないから。お客さまの見えないところでも美意識は貫かれていて、例えばホテル内の社食でカレーライスを食べる際にも、彼らはスプーンを使わずフォークで食べるように教育されています。そういえばフランス料理で米料理が出ても、イタリア料理でリゾットが出ても、スプーンは使わないですもんね。