「適応障害」患者が増加…寒い時期は特に“注意” ポジティブが原因でストレスも…谷原章介も経験「深海に潜っているような」
高齢者も注意!周囲の“変化”
「適応障害」は高齢の方も注意が必要です。 高齢者は脳の老化により、環境への適応力が低下します。そこに家族との死別や巣立ち、介護などの環境の変化が加わると、大きなストレスになることも。 ――何が自分にとってストレスになるか、気づくのが難しいと思うのですが 精神科専門医 今野 裕之氏: 実際にストレスに気がつくというのは難しいのですが、いつもより眠れなくなってきたとか、不安が強いとか緊張しやすいとかそういった変化が出てきたら、もしかしたら「適応障害」の兆しかもしれません。 MC谷原章介: それを自分で「あ、そうかもな?」って思うだけで、ちょっとは和らいだりするものなんですか?それとも不安になっていってしまうのですか? 精神科専門医 今野 裕之氏: 環境の変化など、何かしら変化が起こったときというのは、自分で自覚してもストレスになることがありますので、こういう知識があると「もしかしたら今危ないかもしれない」というふうに思えるかもしれません。 MC谷原章介: 早めに治療に向かったりできるかもしれないですね。
治療法は?ストレス軽減と向き合い方
「適応障害」を発症した際、どのような治療を行えば良いのでしょうか? 基本的には、原因となるストレスを取り除くことが大切ですが、薬が効きにくいため、ストレスを軽減する治療が行われます。 1つ目は、「環境調整」。仕事が原因であれば、休職や部署異動など、職場に相談することもひとつの手段です。 2つ目は「何かに夢中になる」こと。体がきついときなどは、安静にしていた方がいいですが、スポーツなどで汗をかいたりすることも効果的です。 原因のストレスがなくなれば、6カ月以内で症状が改善するといいます。 精神科専門医 今野 裕之氏: 例えばスポーツをすることが大変だという人は、音楽を聴いたりアロマを炊いたり、ストレッチをしたり入浴したりといったことが有効ですね。ご自身がリラックスして夢中になってできることがいいので、料理をするなんてのもいいと。 毎日やった方がいいです。できるだけ自分が落ち着いて過ごせる時間を1日の中で設けるというのが大事です。 MC谷原章介: 好きなこと、気持ちいいことをやればいいんですね。 倉田アナ: 私、好きなことや趣味が本当にない人間なんですけども、そういう人は無理をしてやらない方がいいと思うんですが、どうしたらいいんでしょうか? 精神科専門医 今野 裕之氏: そうですね、新しいことを始めるのもかえってストレスになることもありますから、あまり気合を入れなくていいこと、音楽を聴くなんてのもいいと思いますので、その辺から初めて見てはいかがでしょうか? 倉田アナ: あ…ヒップホップか!ダンス、体に気をつけながらちょっともう一度やってみようと思います。 ストレスを軽減させるだけでなく、向き合うことも大切です。 適応力を高める「認知行動療法」は、ストレスの原因を知り問題を整理することで、ストレスを感じた時の自分の考えや感情、行動、症状を知り、その結果に合わせて考え方や行動を変化させるというものです。 ――「適応障害」はどんな方が陥りやすいのでしょうか? 精神科専門医 今野 裕之氏: 性格的に細かいことを気にしやすいとか、自分のせいに考えやすいとか、真面目で責任感が強い方というのは、「適応障害」のような症状を起こしやすいかなと。 MC谷原章介: じゃあ、本来頑張ってくれている、頑張っている人が陥りやすいというのを、周りの人が見守ってあげたいですよね。 精神科専門医 今野 裕之氏: 実はこういう症状はほかの病気でも起こることがあるんです。中には体の病気で起こることもありますから、なかなか改善しないなと思ったら、お気軽に医療機関にいって相談してください。 (『めざまし8』 2024年11月1日放送より)
めざましmedia編集部